先日
パチるという言葉について書いた話の続きなのですが…。
この間の女房との会話。
「先週○○さん、自転車盗られたらしいのよ。可哀そうに」
「あららそれは気の毒やな」
「それで、風邪も引いてしまってねぇ。いいことなくて気晴らしにパチンコ行ったら五千円もスってしまって、本当に
いんけつだったらしいよ」
「なんですと?!」
またよからぬ言葉を覚えてきています(汗)。「いんけつ」とは…。
「お前その"いんけつ"っていう言葉の意味知ってるか?」
「うん。分からないんで友達に聞いた。"ついてない"っていう感じの言葉でしょ」
「うーむ。確かにそういう意味だが…」
「いんけつ」なんて言葉、本当に久しぶりに聞きました。まいったなぁ…。
知っている人は知っている言葉なので特に言及することもないのですが、一応書きますと、これは「おいちょかぶ」に関わる言葉です。
おいちょかぶとは何か、ということを書かないと進まないのですが、これは花札(トランプなども使う)で行うゲームで、詳細は
ウィキペディアを参照していただきたいのですが、つまり1から10までの札を取って、札の数字の合計数が9に近い方が勝ち、というゲームです。ブラックジャックに似ていますね。細かくはボーナスルールなどもあり複雑ですが、基本は手持ちの札の合計が9に近ければいい、ということですね。
その数の数え方ですが、独特の符丁があるのです。
1⇒いんけつ 2⇒にたこ 3⇒さんた 4⇒よんた 5⇒ごけ 6⇒ろっぽう 7⇒なき 8⇒おいちょ 9⇒かぶ 0⇒ぶた
従って、「かぶ」が一番よくて、1の「いんけつ」などはとても勝てない数字であります。ここから転じて、ついていない場合に「いんけつ」だと言う場合があるのです。
※1⇒いんけつ は関西独特の言い方であり、例えば関東では「ぴん」と言う由。2以下も地方によって独自の符丁で言われている場合があります。
しかし…はっきり言ってこれは「賭博用語」と言ってもいいでしょう。あまり品のいい言葉であるとは言えません(汗)。おいちょかぶに端を発する言葉として他に、例えばヤ○ザという人たちは「893(=足すと末尾が0になりブタ)」が語源とも言われます。役に立たない、ということを自虐的に示しているとも言われます。賭博用語は他にもいろいろあるでしょうが、日常会話にあまり使わない方が望ましいでしょう。
「ということやから、あんまり"いんけつ"などとは日常的に使わないように。ヒアリングだけにしておきなさい」
全く赤ん坊のように言葉を吸収してくる女房にも困ったものです(汗)。