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  • 2016.12.30 Friday
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    | 2016/12/30 | - | | - | - |

    鯛めしとかぶと煮

  • 2008.03.04 Tuesday
  • 昨日は家のとびらを開けたとたんに、なんともかぐわしい香りが…。ああこの匂いは紛れもなく「鯛めし」が炊き上がった香りですね。嬉しいなぁ。疲れも吹き飛ぶというもんです。この香りにはなんぴとたりともあらがえない。そういう実力を持った香り。
    ひなまつりにはちらし寿司、というのが定番なのでしょうけれども、うちじゃよくこの日には鯛を食べます。まあね、娘もいませんし(カミさんは一応女性ですけど)そんなに彩りよく食卓を飾らずとも実質本位で大人の味わいを楽しめばよいではないですか(ヘンな理屈)。
    というわけで、メニューは鯛めしと鯛のかぶと煮です。鯛だってやっぱり春を告げる魚。ひなまつりにも定番の魚。そして何といっても魚の王様です。

    「まあね、王様なんだけど、鯛のアラって安いのよ。それでいくらだと思う? 300円なのよー」

    カミさんはそう言って笑いますがね。春とはあまりゆかりのない養殖ものであります。しかも鯛まるごと使うわけじゃない。アラですよ。しかし…「腐っても鯛」とはよく言ったものですね。天然ものなんてそりゃ上等でしょうが養殖でも実力は凄い。
    一尾ぶんのアラ。その頭とカマの部分をあら炊きにして、残りの中骨その他の部分で鯛めし。これで十分大人二人が楽しめるのです。これを300円と聞いて「なーんだ」とがっかりするか「お値打ちだっ」と喜ぶかは様々だと思いますが、僕は間違いなく後者ですね(笑)。この香りが300円とは考えられない。それほど高貴な香り(そこまで言うか)。

    まず、鯛のかぶと煮で一杯。作るのもさほど難しいわけではないのですが、処理が面倒らしいのです。鱗が多いらしいのでね。いったん熱湯で霜降りにして、丁寧にうろこ除去作業をします。そしたら、ごぼうとともに酒たっぷりと醤油、砂糖少量で煮ます。ある程度煮詰まったらみりんを加え(後からみりんを入れるのがコツらしいです)、煮汁を何度もかけて照りを出します。これに関しては、多少濃い目の味付けのほうが僕は好きですね。煮汁に濃度が生じるくらいに煮詰まったほうが美味い。
    箸をつけます。なんと言ってもまず目玉ですね。トロリとして…

    「あー美味いっ!」

    このゼラチン質の部分がなんともたまりまへんなぁ。やはり王様(一人前アタマ半割りだから100円程度なのに)。そして唇の部分。頬肉。あうう美味い。酒が進んでいけませんや。いくら特売品で安いと言っても、結構な大きさがあるのです。食べ応えアリ。
    つけあわせは菜の花のおひたし。これも春ですね。美味い。本来ならばさらにハマグリの吸い物があれば完璧なのでしょうが…。

    「ハマグリはとにかくここしばらくは高いのよ。ひなまつりの定番だからみんな買うんでスーパーも足元見ちゃってねー(怒)。またすぐに安くなるから今度やるわよ」

    まあいいでしょう。僕はハマグリの吸い物で酒を呑むと無限に呑んじゃいますからね。なんでやさしい吸い物だと酒があんなに呑めるんだろう。おっとそんなことはさておき、ここにハマグリがあればもう泥酔必至ですから、これでちょうどいいんだなあ。
    そう言いながら横では、カミさんが竹串を巧く使って炊き上がった鯛のアラをほぐし骨を外しています。アラですから骨だらけですわね。鯛の骨は固いので刺さったら一大事。しかしこういう細かい作業は僕は苦手で全面的にお任せ。すまんのぉ(汗)。

    さて、アタマもしゃぶりつくし十分に酒も呑んだので、いよいよ鯛めしの登場。ほぐした鯛の身(アラだからと言ってバカに出来ない。大名下ろしなのか結構身がついている)をご飯に混ぜ、「はいどうぞ」。

    「あは〜んたまらん〜。ウマヒ〜〜」(悶えとるがな)

    鯛めしの身上はなんといっても香り(まだ言うか)。特売の養殖鯛とは思えんなぁ。腐っても鯛とはよく言ったもので…(それはさっきも言った)。
    これも単純な料理なのです。米を研いで笊に上げて、炊く直前に昆布、酒、醤油などで調味してアラを入れて電気釜で炊くだけ。直前に合わせるのが飯が固くならないコツなのらしいですが、ただそれだけ。土鍋とかでやればもっと美味いのでしょうが自信がないそうで(面倒とも言う)。でも十分に美味い。おこげも出来てたりして。
    箸がとまりませんね。箸と言いますか、行儀は悪いのですが掻っ込んでしまいます。おかわりやおかわり♪

    というわけで、三合炊いたのですが平らげてしまいました。止まらなかった。いい歳こいた中年夫婦が(しかもメタボまっしぐらの)こんなことをやってもいいのか(汗)。しかし美味いものはしょうがないのですよ。まあしばらくはバランスとらなくちゃいけませんので粗食をしないとなー(口ばっかりですが)。

    さて、僕たちがそのあと食後に桜餅を食べたということは、呆れられるのでやはり書いてはいけな…(以下略)。

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    | 2008/03/04 | 飲食 | 23:41 | comments(2) | trackbacks(0) |

    節分に恵方巻を作るの記

  • 2008.02.03 Sunday
  • 節分です。もうかよ。一年が経つのがあまりにも早い。
    節分の記事は毎年書いているわけです。フロー媒体としてのブログというのは時節の話を書くことが多い。七夕だとかクリスマスだとか行事のたびにこういうことを書いていると同じ話の繰り返しになりがちですし、またあちこちでも同様の話が書かれているはずです。RSSリーダーの登録ブログに「ひな祭り」のタイトルが並んだりしてね。なので時節の話は出来れば避けるのが得策ではあるのですが、節分はなんとなしに毎年書いている。これは定点観測にも似ています。
    3年前2年前、そして昨年に続いてこれで4回目。んで、節分と言いますかまた太巻きの話を致します。3年前に恵方巻の話を書いたときには、まだこの習慣は全国ネットではなく関西独特の風習と受け取られていたようなのですが、今はコンビニやスーパーの戦略でもう知らない人は少数派でしょう。もしかしたら豆まきより膾炙してしまっているかもしれません。

    ところで、この節分の太巻きイッキ食いの話、昨年僕は疑問を提示してしまったわけです。詳細は昨年記事を参照していただければ有難いのですが、それほど古い習慣ではなかったのでは、という話です。少しばかり値打ちが下がったような気もして、もう今年は太巻きを食べるのをやめようかなとも思っていたのですが、僕よりも妻がやる気マンマンでございまして、「今年はちゃんとしたのを作る」と息巻いております。ここしばらくは太巻きは手作りのものを食べているわけなのですが、どうも満足いくものが妻的には作れていない様子。味付けに難があったり、ご飯の量を減らしてヘタってしまったり。そうかそうか。ならば今年は本格的にいこう。ワシも今日は特に用事はないし。
    ということで、僕も参加して手作り太巻きの作成です。

    マグロやイクラなどを入れた豪勢な太巻きにしてもいいのですが、今年はオーソドックスを旨とし、保存食にもなり得る定番の太巻きを徹底して手作りで。まず玉子焼き作りから始めます。
    玉子焼きと言いますか、伊達巻に近いものを作ろうかと。寿司屋の玉子焼きに近いやつですね。しかしああいうのは海老のすり身を入れたりして豪勢過ぎますので身分相応に。使用するのはハンペンです。本当は白身魚などと山芋で作ればいいのですがそこは手抜き。「徹底に」と言った手前もう挫折しているようですが…。
    擂ったりすると手間なので、ハンペンを一片粗く刻み、少量の出し汁と酒、砂糖、塩と淡口醤油で調味しミキサーへ。水分が少ないので最初はガラガラいいますがかまわずに回すとねっとりと攪拌されてきます。そこへ卵を四個。さらに回して完全に混合させます。
    これを玉子焼き器で焼けばいいのですが量が多いのでテフロン加工のフライパンへ。油をしき、全部流し込みます。気泡を無くしたいので、フライパンをゆすりカンカン叩いて気泡を浮き上がらせ潰します。
    弱火でふたをして蒸し焼きのように固まるまで。おお出来ました。皿の上にひっくり返して取り出すと、そんなに焦げずに絶妙に焼けています。初めてにしてはうまくいった。これを巻簾で巻けば伊達巻になりますが、今回は切って使うのでそのまま。なんといい香り!
    ホカホカのを一口切って食べてみると…これは美味い! 作りたてというのは市販のものと違って「出来立て」ということと自己満足という調味料によって何倍にも美味く感じるものですが、それだけではなく冷静に美味いと思いました。

    さらにかんぴょうを煮ます。これも徹底した手作り。なんせ夕顔の実から作っているのですから(笑)。
    妻の実家では畑で自家消費用に夕顔を栽培しています。田舎ではこれを煮て(冬瓜のように)食べているのですが、昨年妻が帰省した折、「かんぴょうを作ろう」と思い立ったようで、皮を剥くように細長く削って乾燥させ、自家製かんぴょうを作ったのです(驚)。
    それが今年はうちにあります。これを戻して、出汁で煮ます。なんせ機械で細く削ったものではなく包丁で剥いて生成していますのでとにかく分厚くて不揃いなのですが、そこは目を瞑って。クツクツと煮ると結構満足のいくものが仕上がりました。

    さらに干し椎茸を煮たもの。きゅうり。三つ葉。桜でんぶ(これは自家製ではなく残念ながら到来物)。それらを揃えて具の完成です。ふふふ。すし飯はカミさんが作っています。これは米を硬めに炊くのがコツ。押しても潰れないほうが美味い。しかしまだ作りません。食べる直前に巻こうと思います。手巻き寿司じゃないけど今年はそうします。

    さーて、夕食。鰯の丸焼きと煎り豆を40と少し。さらに残った伊達巻もどきの玉子焼きで一杯やってから、いよいよ太巻きの出番です。
    では巻きます。食卓ですのこに海苔を広げて。これはまるかじり用ですから、かんぴょうや三つ葉は短く切っておきます。噛み切れないと崩れてしまう。飯を置き、押して広げ具を並べて巻きます。こういう作業って楽しいですよね。
    しっかり力を入れて押し、完成。崩れません。今年は密度を高くしましたから。
    恵方は南南東。さあしゃべらずに一心不乱に食べましょう。

    まず一口。うーむ美味い。太巻きも大阪寿司の一形態とすれば、本来は少し時間が経ってなじんでから食べるのが常套でしょうが、今回は巻きたて。なのでまだ海苔がパリッとしています。そこがなんとも美味い。具も時間をかけただけあって加減よく、バランスも上々。
    「おいしい」と言いたいのをぐっとこらえて無言で食べきります。食べ終わってから二人で顔を見合わせガッツポーズ。縁起モノではありますがどうせ食べるのなら美味く食べたいですもんね。ただ中年夫婦には太巻き一本はちと量が多いか。市販のものより太めに作っちゃったからなぁ(少量の材料って揃えにくいのです)。しかし、満腹もまた至福。結構でございました。
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    | 2008/02/03 | 飲食 | 22:42 | comments(6) | trackbacks(0) |

    ローストビーフ

  • 2007.12.25 Tuesday
  • 本当は12月25日がクリスマスであったはずなんですけどねー。
    今日街を歩いていたら、クリスマス色がそうとう色褪せています。そこにあったはずのツリーは撤去され、うちのとなりの家のかなり頑張ったイルミネーションも外されています。なんなんだこりゃ(笑)。
    思えば、クリスマス騒ぎはずいぶん前から始まっていました。この記事を書いたのはまだ11月、そんなころから街はクリスマス商戦であったのに、肝心の当日はさっぱりです。意味がわかんない(汗)。
    雛人形のように、日にちが過ぎればさっさと仕舞う、というのは日本人の習性かもしれませんが、まだ過ぎてないじゃないか。もはや24日を日本ではクリスマス、と呼んだほうがいいのかもしれませんね。前日に盛り上がるというあり方は以前記事にもしましたけど、ここまでくると極端すぎて。

    まあそんなことはともかく。
    我が家では例年書いているとおり、本日がクリスマスです。嫁さんに言わせると「イブは物価が高い」のだそうで。
    昨日まで巷では三連休だったはずなんですけど、なんだか休んだ感じが全然しなかったのです。呼び出しが多くてね。なんやかんやで毎日ネクタイを締めなければいけなかった。面倒ですねぇ。
    今日は、早く帰れそうだったのです。ストレスとか溜まっている実感がありましてね。なので「ワシゃ帰る」と宣言してもう6時には帰路についたのです。うっしっし。
    家にはその旨Telしておいたのです。クリスマスだからってことじゃないけど、早めに帰れるから美味いもんを食わせろ、とね。まあ例年ですと雛鶏の丸焼きかなんか買ってきているはずで、なので酒屋に寄って安いチリ産のワインを購入、土産として帰ったわけです。
    そうしたら、なんだかカミさんがややこしいことをやっている。普段滅多に使わない無用の長物と化しているオーブンを使って何かしている。あんた何してんの?

    「ローストビーフ焼いてるのよ。ふっふっふ」

    何だとローストビーフだと。そんなもん家で出来るのか?!

    「二人分って小さくなるから今までやんなかったけど、何か本見たら1kg未満でも簡単に焼けるって書いてあったの。だから今日は500gでやってみたのよ」

    聞くと、まず昼のうちにモモ肉のブロックに塩コショウして置いておくのだそうで。そんなに早く塩をしたら、細胞壁が壊れて肉汁が出て行かないもんかい?

    「うるさいわねそう書いてあったのよ。文句つけるならあんたやってよ」

    ああもう一切何も申しません(汗)。
    その後、フライパンで一度焼いて回りを焼き固めておくそうな。なるほど、最初からオーブンに入れるんじゃないんだな。その上で、アルミホイルに包んでオーブンで15分ほどじっくりと…ということなのだそうな。

    「焼けたよー。でもまだ切っちゃダメ。余熱でしばらく置くといいのよ。その間にお風呂に入って来なさいよ」

    はいはい。まるで子供みたいでございます。
    風呂から上がると、グレイビーソースとかを作ろうとしています。ワシにもやらせろよ。
    煙たがられているのは承知でちょっと台所へ。こういう作業は案外面白いものです。鍋に小麦粉を少し入れバターと炒めます。簡単なルー作りですね。そこへジャッと肉汁を流し、肉汁が足らないので水で薄め、これは反則なんですけどビーフシチューの素を少量加えて誤魔化します。バルサミコでもあれば格好いいのですがそんなものは家にはなくレモン汁を少し垂らして引き締めます。あとは胡椒と少量の塩で調味。僕でも簡単に出来た♪

    では食べましょう。食卓にはサラダやらじゃがいも蒸かしたやつやらかぼちゃスープやらいろいろなものが並び、まずはワインを開けて乾杯。赤ワイン買ってきてよかったなあ。
    そして、ローストビーフ。まな板ごと食卓に持ってきます。少しづつ切り分けながら食べることで肉汁の流出を防ごうというコンタン。
    切ると…肉汁がジュワッ。これですよこれ。市販のやつだとこれが出てこない。しかるべきレストランに行けば目の前でサーブしてくれるところもあるのでしょうけれども、そんなとこ行ったら目の玉飛び出るほどトラれますのでねぇ。
    その、内部にいくにつれて鮮やかなピンク色となる肉にソースを垂らし、ホースラディシュなんて洒落たものはないので生山葵で代用(偶然貰ったのです。なんというタイミングか)して、もったいつけて口に運びます。

    うわ…これは美味いぞ…。

    そんな大きな肉の塊を焼いたわけじゃないから、切るときにはいくら肉汁ジュワでもそれが口の中まで持つとは思っていなかったのです。しかし、安い肉のはずなのになかなか実力を発揮している。噛むと溢れます。う、美味い。
    これってやっぱり温度が影響しているのでしょうね。この美味さには。ローストビーフという料理は、本来熱々を食べるものではありません。切ると肉汁がみんな出てしまうので、レストランでは寝かせて冷ましてから出てきます。しかし、このくらいの大きさ(500g)であればある程度は大丈夫だろう、肉汁だって大したことないし、と、しばらく置いたとはいえまだかなり温度を保った状態であったのが幸いしているのでしょう。正確には、今食べているのはローストビーフというより大きなステーキと言ったほうが近いかもしれません。しかし、美味ければなんでもいい。反則のグレイビーソースも山葵も効いています。

    500gというのはしかし実に少ない(本来であれば二人の量としては十分なはずですが)。切っては食べ切っては食べしているとあっという間です。ワインもガブガブ呑み、その他の様々なものも胃の腑に収まるまで…30分かかったでしょうか。普通であればゆっくりと会話を楽しみながら、というのが正統なのでしょうけれども、ものも言わずに平らげてしまいました。うーむ、こんなことでいいのでしょうか(いいんだ)。

    いやぁ満足でした。ひとつだけ後悔があるとすれば、クリスマスということでしたのでワインを呑み、そして気取ってパンなどをともに食べていたわけです。しかし、これは丼にすればさらに美味かっただろうなぁ。そういうことをつい考えてしまった下世話なクリスマスの夜でした。
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    | 2007/12/25 | 飲食 | 23:32 | comments(4) | trackbacks(0) |

    La Voitureのタルトタタン

  • 2007.06.24 Sunday
  • 土曜日、京都に行ってきたのです。またかよ、って気もしますし久し振りって感じもします。どうなんでしょうね。
    相当にいろいろなところに足を運びましたし、面白い話も多かったのですがそこらへんはバサッと割愛。きりがありませんのでね。で、何をしに京都に行ったかと言えば、端的に言えばタルトタタンを食べに行ったのです。

    タルトタタンとは何か、についての説明は不要かと思いますが、つまり焼きリンゴのケーキです。ちょっと書き加えますと、これはリンゴのタルトを作ろうとして失敗したときに偶然生まれたと言われるケーキで、アップルパイが引っくり返ったような形状のものです。通常であればパイ生地の上に甘く煮たリンゴを乗せて焼くのがアップルパイですが、タルトタタンはリンゴを鍋で甘く煮詰め、その上に生地を被せてオーブンで焼きます。すると、リンゴを煮たバターや砂糖がカラメル状になって実に香ばしく仕上がります。僕はメープルシロップとカスタードクリームと並んでカラメルが異常に好きなので、このタルトタタンも大好物なのです。
    うちは季節になればリンゴが溢れかえるほどの状態になりますので(妻がリンゴ農家の娘であるため)、リンゴをただ食べるだけではなくさまざまに調理もします。そしてリンゴを使ったお菓子の代表とも言えるタルトタタンも何度かトライしたのですが(僕がもちろん作るのではなくて女房なんですけど)、なかなか満足するものが出来ない。実に難しいようなのです。
    この場合、リンゴの種類としては、多くは酸味の強い紅玉などを用います。うちじゃジョナゴールドや津軽や北斗を使ってやるのでうまくいかないのだろう、ということにして片付けてしまっていました。

    しかし、京都には紅玉ではなくふじやサンふじを使用して神業のように美味いタルトタタンを供する喫茶店があるらしい。そう以前から聞いていました。是非食べてみたい。そして、ようやく機会をみつけてそこにお邪魔することにしたのです。店の名前は「ラ・ヴァチュール」。
    ここは、平安神宮のすぐ隣に位置する小さな喫茶店で、なんと80歳を軽くオーバーしたおばあちゃんが毎日朝から4時間かけて2台のケーキを焼き上げるとか。1台を16等分して、限定32ピースの販売です。それを目指して開店と同時に店に飛び込みました。

    実に雰囲気のある喫茶店で、僕のようなサンダル履きの人間が入っていいのかとも思いましたがまあそこには目を瞑って、早速、タルトタタンを注文です。この店のもうひとつの名物であるクルミのタルトも同時に所望しました。
    ほどなく、注文のタルトタタンが運ばれてきました。見るからにリンゴが凝縮されているような色合いと香りに、たまらずナイフを入れます。そして一口。

    うわ、なんて上品な味なんだ…。

    ほんのりとまだ温かいタルトタタン。紅玉を使用していないせいでしょうか、ヨーグルトが少し上からかけられています。これで酸味を多少補っているのでしょうか。それにしても美味い。普通はカラメルが勝つのでもっと強い甘味と、リンゴの酸味が自己主張するものだと思っていたのですが、なんともいえずやわらかなやさしい味。しかし、矛盾するようですが実に濃厚でもあるのです。これは、味だけではなく香り(芳香と書きたくなる)や舌触りがそれぞれあいまって個性を作り出しているからなのでしょう。そしてほろりと舌の上でほどけていく。リンゴが柔らかく仕上げられているからです。うーむ。なんて美味いのだ。一言で言えば「上質」でしょうか。

    いっしょに注文したクルミのタルトも食べてみました。これはナイフを入れればねっとりとした感触で、キャラメルの濃密感があり、もしかしたら絡まって差し歯が抜けるかもしれないと妻が言いましたが、食べてみるととんでもない。口の中でトロリと溶けていきます。これもまた絶品。

    出来れば自分で作るうえで参考にしたいと言っていた妻でしたが、完全にシャッポを脱いだようです。こんなもの作れるわけがない。話によれば、このタルトタタンはフランスのタルトタタン愛好会からも名誉賞を贈られたというしろもの。一朝一夕で真似できるようなものではないのです。
    出来ればおかわりをしたかったくらいですが、これは限定販売であり一組にひとつしか供されません。ちょっと残念。次に来るときは女房と他人のフリをして入ってひとつづつ注文しようかなどと不遜なことさえ考えてしまいました。
    食べ終わった頃、作者のおばあちゃんが店に入ってこられました。このおばあちゃん、実に上品な方で、こういうことを言っては失礼かと思いますが実にかわいい方。たまらなく美味しかったです、とお礼を言って店をあとにしました。
    これはまた来なくてはいけないな。
    昨日の京都は夏本番の色合いで実に暑かったのですが、ふと涼やかな気持ちにさえなった素晴らしい味でした。
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    | 2007/06/24 | 飲食 | 16:18 | comments(6) | trackbacks(2) |

    汲み上げ湯葉

  • 2007.06.01 Friday
  • 今日は何事も無く、なんと日のあるうちに家に。もちろん夏至が近いということですけれども、なんだか後ろめたい気がしますね(笑)。

    帰ると、カミさんが台所で奮闘中。何をやっているのかと言えば、ミキサーで擂り潰した大豆を煮ているのです。
    先日、あるところから大豆を大量にいただいたのです。実に有難い話なのですが、そんな大量の大豆をいったいどうやって食べるのか。どーしよーかなと思っていましたら、カミさんが「あたし、やりたいことがある」と言うので、任せて忘れていたのです。そうしたら、何やらややこしいことをやっている。
    昨日のうちから、大豆を水に浸してほとびさせていました。そしてすっかり戻ったので、それをミキサーにかけ、ペースト状にしたところで火に掛けてグツグツ煮ています。ただこれは、ペースト状であるため直ぐに吹きこぼれる。なのでずっとついていなくてはいけないらしいです。沸騰して泡がブクブクと大量に立つのでそれをフーフー吹いて溢れないようにおさめています。原始的だな。おもしろいのでしばし見学。
    煮て、生大豆の青くささがなくなれば出来上がりらしいです。なるほどな。出来上がった大量の大豆ペーストのごときものをさらしで濾して、豆乳とおからの出来上がり。すげえな、こんなことも家で出来るんだ。

    「おからは冷蔵庫。明日かあさって炒り煮にするから」

    残ったのは鍋いっぱいの豆乳。ま、まさか豆腐を作るんじゃないだろうな?

    「確かにここにニガリを投入すれば豆腐になるけど、豆腐は難しいらしいのよ。だからやんない」

    そうか。せっかく「豆乳にニガリを投入」というオヤジギャグを言おうと準備していたのに(汗)。

    「これで、汲み上げ湯葉をやるのよ。ふっふっふ」

    なるほど、そういう手があったか。
    食卓にコンロを設置して、さらにデカい鍋に湯を沸かし、その中に豆乳の鍋を入れて湯煎にします。すると、徐々に薄い膜が張ってきます。おお、湯葉が出来てきたぞ。
    箸でそっとすくって、土佐醤油と卸したての山葵をちょいとつけて口の中へ。

    これは美味い…(驚)。

    僕は京都生まれで、日常的に湯葉は食卓に上がっていましたが、それはやはり乾燥させたものを戻すわけで、このトロリとした食感は失われています。また、あるところで「引き上げ湯葉」というのは食べたことがあります。出来立てということで温かく柔らかいのですが、実際に鍋に箸を突っ込んで食べたわけではなく器に入って出てきたもので、それでも十分に美味かったのですが、今食べているものとは決定的に違う。
    湯葉の鮮度というものは、もう秒単位で失われていくものなのですね。この方式だと、すくって口に入れるまで約3秒。風味も食感も全く失われません。美味い。このねっとりとした口蓋にまとわりつく味わい。
    それに、微妙な変化もよくわかります。最初に張った膜は、大豆の香りも強くフレッシュな感じがしましたが、徐々に煮詰まるにつれ香りは減りますが濃厚さが増し、味わいが強くなる。こういうのもまた嬉しい。
    ショウガ醤油とかポン酢でもいいのでしょうが、今回は生山葵があったのでそれを合わせています。これもまた抜群に実力を発揮しています。

    しかし…欠点があるとすれば、それは時間がかかりすぎるのです。一度張った膜を引き上げると、次に湯葉が生成されるまでに結構な時間が必要になります。それをじーっと二人して鍋の表面を見つめながら待つわけです。ちょっと早いと引き上げることは叶わずドロリとこぼれてしまいますので、これは待つしかない。この待ち時間は主として酒を呑んでいるわけでして…汲み上げ湯葉は酔っ払うな(汗)。

    さんざん食べてある程度満足したら、鍋に出汁を加え、水菜やしいたけ、そして鶏肉を入れて豆乳鍋に。これも美味い。最後はそこにきしめんを入れて〆ます。
    いやー満足しました。これはやったほうがいいですね。ただ、大家族ですと時間がかかりすぎて湯葉の争奪戦になるので鍋をいくつかに分ける、ということが必要なのでしょうけれども。大豆を煮るところから始めなくても今は市販の豆乳がいくらでもあるのですから。
    美味い夕食でした。ごちそうさま。というわけで酔っています(笑)。
     
     
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    | 2007/06/01 | 飲食 | 23:04 | comments(4) | trackbacks(0) |


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