スポンサーサイト

  • 2016.12.30 Friday
  • 一定期間更新がないため広告を表示しています



    | 2016/12/30 | - | | - | - |

    壇一雄と「火宅の人」 

  • 2004.09.17 Friday
  • 「火宅の人」をまた読み返すとは思っていませんでした。こういう機会でもないとじっくり時間が取れないからです。
    僕は壇一雄のいい読者ではありません。「リツ子その愛・その死」と、いくつかの食べ物、旅行随筆を読んだだけです。しかし、この「火宅の人」は若いときに読んで非常に心に刺さりました。そして今この歳になって再読し、さらに圧倒的な迫力で向かってきました。

    日本脳炎による全身麻痺で寝たきりの次男、そして二度目の妻とその間の幼い子たち。妻は宗教に走り長男はぐれる。家庭に安らぎを見出せなくなった一雄は女優の恵子と出会い家を出る…。こう書くとどうしようもない男の話ですが、何ゆえにこんなに共感できるのでしょうか。それは主人公の過剰な情熱、細やかな感情、優しさと滑稽さ、そのようなものから溢れ出るパワーに圧倒されてしまうからでしょう。

    「かりに断頭台に立たせられたとしても、我が身の潔白なぞは保証しない。いつの日にも、自分に吹き募ってくる天然の旅情にだけは、忠実でありたいからだ。それが破局に向かうことも知っている。」

    「天然の旅情」と言う言葉はこの小説のキーワードですが、この一言だけで分る人は分ると思います。自分に正直に生きようとして、激しい放埓は際限を超える。しかし、破滅的な人生はいつか終わる。最終章で、愛人も女友達も去ってしまい一人きりになる主人公のあまりにも寞とした姿に寂寥感が溢れるのです。
    「アハハ、夏は終わった」と自嘲する一雄。人の人生ってなんだろう。どんなに正直に「天然の旅情」に忠実に生きたつもりでもこの終末になるのか…。否、忠実に生きたからこそなのか。

    圧倒的な筆力は全く古びません。そして、この話が本当に分るのは自分だけだと思わせる点は、一雄の畏友である太宰治にも似ています。
    僕は、福岡の能古島の壇一雄の終の住処にも行きましたし、柳川の墓にも詣でました。豪放磊落に見えながら誰よりも細やかな神経を持った作者に少しでも触れたかったからです。しかし、住処も墓も何も語ってはくれません。

    あれ、なんか思い入れたっぷりだな(汗)。


    このエントリーをはてなブックマークに追加 Check


    | 2004/09/17 | 過去日記<BOYAKI> | 00:00 | comments(1) | trackbacks(0) |

    スポンサーサイト

  • 2016.12.30 Friday
  • このエントリーをはてなブックマークに追加 Check


    | 2016/12/30 | - | 00:00 | - | - |

    コメント
    コメントする
    通りすがり・暇人・名無しなどの呼びかけにくいHNはご遠慮下さい








       
    この記事のトラックバックURL
    言及リンクのないトラックバックは受け付けません ごめんなさい
    トラックバック

    CALENDER

    S M T W T F S
      12345
    6789101112
    13141516171819
    20212223242526
    2728293031  
    << May 2018 >>

    CATEGORY

    ANOTHER BLOG

    メインブログ
    酒・旅・フォーク・歴史・プロレスをテーマにときどき更新


    ちょっと歴史っぽい西宮
    別館・西宮歴史探訪サイト
    凛太郎の自転車操業
    西宮地域ブログ

    PROFILE&BBS&MAIL

    自己紹介です。
    BBS
    掲示板です。
    Mail
    メール送信フォームです。

    NEW ENTRIES

    SEARCH THIS SITE.

    ARCHIVES

    RECENT COMMENTS

    RECENT TRACKBACK

    BLOG PARTS


    RECOMMEND


    MOBILE

    qrcode

    SPONSORED LINKS


    OTHERS


  • フィードメーター - 凛太郎亭日乗


  • ついったー




  • 無料ブログ作成サービス JUGEM