今、仙台にいます。
僕の場合、通常旅行先では基本的にネット環境から遠ざかることにしています。
こう言うとなんだか「こだわり」を持っているみたいですが、なーに、スマホもタブレットも所持していないため、結果的にそうなっているだけです。意識的に遠ざけているわけではないな。
それに、ある種の怖さもありましてね。僕は以前ほどではありませんが今も一種の「ネット依存症」的気質は確実に持っていて、スマホとか持ってたら車窓風景など一切振り向かずyoutubeばかり見てんじゃねーか、という恐れもあるわけですよ。なんて意志が弱いんでしょうかね。だから、現状これでちょうどいいのです。
ではなんで旅先でこうして書いてんのかってことですが…たまたま泊まったとこでPCを貸し出してくれてましてね。んで、ちょっと明日の天気交通情報その他を調べとこうかなと思いましてキーを叩いていたんです。そうなると、ついネットにまたずるずると入り込んでしまって(意志が弱い)、じゃついでにブログでも…てな感じで。
今年も全然更新しなかったもんね。年の瀬くらいは書くか、と。
それにしても、また仙台にいるなーとは思うのですよ。
仙台は、光のページェントがあいかわらずきれいです。この定禅寺通りのケヤキ並木を彩る華やかなイルミネーションは、本当に壮観です。
HPを見ますと、このイベントが始まったのが1986年。これは大規模なものとしては、日本では札幌のホワイトイルミネーションと並んでかなり古い時期からではないですか。今でこそ冬になれば都市部は電飾であふれ、表参道や神戸のルミナリエなど高名なイベントが数多くありますが、昔はあんまりなかったよねぇ。まず、嚆矢といっていいのかな。
僕が、はじめて冬に仙台に来たのは、1987年でした。卒業を控えた大学4年でしたね。ということは、第二回光のページェントを見たことになります。以来30年が経ちます。元気であれば年末年始はまず旅に出ていますし、そのうち少なくとも半分は仙台に寄っているかも。もっとかな。正確には今数えられませんが、20回くらいは見ているかもしれません。
今年は、以前に天気の長期予報で「21世紀最大の冬が来る」とか言われていてビビっていたのですが、今のところは「口ほどにもない」程度で(笑)、仙台は太平洋側ですから夜半過ぎに少し白いものがチラついた程度ですね。そんなこと言っててこのあと一気に寒波が来たら往生しますからあんまりバカにしないようにしますが、まあ今のところは落ち着いた年末です。ほろ酔い加減ですと寒さもさほど気にならないくらいで。
こうして風花が舞う街を歩いていると、旅の空の下にいる実感がわきます。
そんな酔眼でこの「光の洪水」を眺めていますと、いろんなことが思い出されてくるのです。
仙台では、何度か年を越しました。若いころですが。
イルミネーションは大晦日までなのですが、30日までは22時くらいで終了します。ただ31日はずっと点灯していて、それが0時に一斉に消えます。消灯にむけてカウントダウン、そしてHappy new year! この瞬間がなんとも好き。
宿に泊まり合わせた仲間たちとそれを見ているときもありました。ああいうときは、高揚するんです。ハイタッチに始まり、やたら盛り上がる。知らないおっさんとハグしたりね(笑)。いい思い出です。今はカミさんの田舎で静かに午前0時を迎えますから、なおさら懐かしい。もっともカウントダウンイベントなどすっかり似合わない年齢となりましたが。
ある年は、女の人とふたりだけでその煌めく光が消えてゆくのを眺めていました。
まだ数時間前に出会ったばかりのひとでしたが、波長が合ったのでしょうか。なんとなしにそういうことになり…なんだかちょっとロマンティックな年越しでしたね。
結局その夜は宿にも帰らず、そのまま仙石線の始発を待って、ふたりで松島まで初日の出を見に行ったことをおぼえています。
若かったな。本当に。
そのひとは確か僕より4つほど年が上でしたから…今どうしているのかな。きれいなひとだったけど。ふとそんなことも思い出した仙台の夜です。
ああもう今年も、終わるなあ。