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    多賀城・塩釜・松島2

  • 2013.01.09 Wednesday
  • 前回の続きです。僕は国府多賀城駅から東北本線に乗り、ひと駅で降りました。塩釜駅です。
    実はこの東北線塩釜駅は町外れにあるのですが(中心は仙石線本塩釜駅)、多賀城遺跡から来たのでそういう都合となりました。
    塩釜といえばまず塩釜神社です。正確には「鹽竈神社」と表記すべきですが。塩釜神社へゆくなら、こっちの駅からでも歩く距離はそうかわりません。なので良しとします。

    駅を降りてしばらく北上しますと、丘が見えてきます。陸奥国一宮、塩釜神社が鎮座する山です。
    塩釜神社には、かれこれ26年ぶりなのです。懐かしい。
    そして四半世紀以上も経てば情景もかなり変貌しているはずなのですが、目の前に見える神社の正面の石段「表坂」の風景は、記憶の中にある姿とあまりかわりません。あのことがあってから、塩釜は別の町になってしまってはいないだろうかと思いつつ来たのですが、神社表坂の急な石段は、もちろんそのままでした。
    逆に僕は、26年前の僕とは違っています。
    あの頃より多少は本を読んでいます。なので、この表坂正面にある鳥居が寛文年間のものであり、あの「樅の木は残った」で知られる原田甲斐が造立したものだということも、知っています。なので鳥居ひとつくぐるにも感慨を持つことができます。
    しかし、この表坂は実に石段が急です。この202段の緩やかとは正反対のきざはしを上るのに、僕は途中で一休みせざるをえませんでした。26年前のワシであれば駆け上がれたものを(涙)。

    えっちらおっちら登りつめて、参拝。ただし、建造物は修復中のものが多いんです。それは承知していましたけどね。
    それはともかく、この神社境内には、灯篭マニアと化した僕が見るべきものが、3組あります。
    ひとつは、美術品としてすばらしい文化4(1807)年の飾り灯篭。そして享和3(1803)年に大阪の山片蟠桃が手配した石灯籠です。そしてもうひとつは、文治燈籠です。拝殿脇に存しています。これについては芭蕉が書いています。奥の細道から引用します。
    神前に古き宝燈有。かねの戸びらの面に文治三年和泉三郎寄進と有。五百年来の俤今目の前にうかびて、そゞろに珍し。渠は勇義忠孝の士也。
    文治3年とは1187年です。平家が滅び、源頼朝が鎌倉で勃興し覇権を握らんとしていた頃。和泉三郎とは、奥州の雄藤原秀衡の三男、忠衡のことです。こんなものが今に至って残されているとは。
    鉄製であり、むろん赤錆びています。その扉に「文治三年七月十日和泉三郎忠衡敬白」とあります。
    ただ、この扉は錆びていません。後世に付け替えられたものか。おそらく朽ちてしまったのでしょう。なので、本当にこの鉄の燈籠が1187年のものなのかを疑うことは、できます。
    しかし、芭蕉は元禄時代にこれを見ています。ここは、僕もこれを忠衡寄進のものであると信じたいと思います。
    そう思えば、文治3年7月といえば、平泉で奥州の巨人、秀衡が病床に臥していた頃。義経も平泉に居ます。まもなく彼は亡くなり頼朝が攻めてくるわけですが、それを察知して忠衡は前進していたのでしょうか。多賀城で鎌倉軍を迎え撃つために。
    いろんなことが想起されます。僕は、志波彦神社なども参拝し境内で見るべきものは見て、山を下りることにしました。

    下りは、少し緩やかな裏坂をゆきます。
    この年は、紅葉が遅れたのでしょうか。この年末に至って、もちろん参道のもみじは全て葉を落としていますが、その落葉がまだ紅色を保っており、赤い絨毯化しています。美しい。下りきれば、そこは塩釜の街中です。
    境外末社の御釜神社に参拝します。道は商店街で、見れば銘酒「浦霞」の蔵元もあります。昨夜は浦霞をたっぷりいただいて酔いました。いい酒です。ここから港へは、まだまだ距離があります。
    しかし、このあたりまで津波は襲ってきました。塩釜神社の山麓まで波が押し寄せたと。
    商店街を歩きます。平和な町並みに見えよくぞここまで復興したと思いますが、よく見ますとやはり更地やプレハブの建物、そして工事中の場所がそこかしこにあります。被害は凄かったわけですから。亡くなられた方も多数。

    もうお昼も過ぎたので何か食べようと歩いていたのですが、あてがあるわけでもなく本塩釜駅方面まできてしまいました。ふと見ると「塩竃まぐろ直売食堂」の看板が。そういえば塩釜は生マグロの水揚げ日本一です。吸い込まれるようにその店へ。
    店には鮪の刺身サクがパックされて積まれ、それを買いに来る人たちが列を成しています。正月間近だからでしょうか。その奥にカウンターがあり、僕はごく普通に「鮪丼・並」を注文しました。
    しばらくして供された鮪丼。めしの上にマグロの剥き身と中落ちが山とのっけられています。僕にはその量は、ごはんとのバランスを欠いているほどに見えます(笑)。そしてさらに、マグロの腹身と葱の吸い物(つまりねぎま汁か)がつきます。これ、旨かったすね。で、680円(笑)。特製醤油をぶっかけワシワシとかっこまさせていただきました。ご飯を大盛りにすりゃ良かったなぁ♪

    塩釜港まで来ました。みなもは、静かです。1年と10ヶ月前、この水面がせりあがり、町を襲ったのです。信じられない思いがします。
    駅裏に、海にほぼ隣接したショッピングモールがあります。当時は壊滅状態であったと聞いていましたが、まるで何事もなかったかのように歳末の売出しをしています。何事もなかったはずはないんだ。復興に邁進された方々に本当に頭の下がる思いがしました。

    そのまま、仙石線で移動します。3駅乗って、松島海岸駅へ。
    多賀城では霞か靄だったのが塩釜で霧雨となり、松島ではとうとう本格的な降りとなりました。僕は折り畳み傘を取り出し、瑞巌寺へと歩き出しました。松島も、ずいぶん久しぶりです。記憶に残るのは、夏のよく晴れた松島。今は、冬の雨に煙る松島です。
    瑞巌寺の総門をくぐります。杉の古木が参道に並び、荘厳な雰囲気を演出しています。
    地震被害はもちろんありました。国宝・瑞巌寺にも亀裂が走り一部損壊もし、現在修復中です。
    そして、ここにも当然の如く津波は押し寄せました。総門は海岸に面しています。つまり、参道は津波の通り道となったはずです。その被害は甚大であった…海前の参道を歩いている僕などはやはり想像してしまいます。
    しかし松島町はこの海に接した立地条件であるにも関わらず、被害は他市町村と比べ軽微であったと聞きます。もちろん亡くなられた方も何名もいらっしゃるわけですが、隣の東松島市の千名を遥かに超える犠牲者に対し松島町は一桁であると。数で推し量るわけにはいきませんが、それにしても、と思います。後背は山でありほぼ海岸線に町が連なる松島町であるのに。
    こちらのデータ図録を見ますと、松島町への津波の高さが他と比べかなり低いのがわかります。
    これは、松島湾に点在する島に津波の緩衝効果があったためとみられています。島々が、津波の勢いを削いだのです。波は島によって跳ね返り、反射した波は次波の勢いを止め。
    そうやって、名勝松島は町の人々を守ったのです。

    海岸線に立ち、島々を望見します。
    僕ははじめて松島にやってきたときに、それほど感動を覚えませんでした。芭蕉が「扶桑第一の好風」と言った事に異を唱えるつもりもありませんが、日本三景として、既に観たことがあった天橋立、宮島と比べてもさほど心を動かされず、まして松島を訪れた当時21歳の僕はもう北海道の湖沼群も沖縄の珊瑚礁も信州の山塊も知っていました。小さな島に松の木が生えて湾に点在しているだけの風景は、多少退屈なものに見えてしまったことは否めません。
    しかし、今こうして松島海岸に立つと、なんともいえない美しさを感じます。
    それは、以前見た夏空の鮮やか過ぎる風景ではなく、冬の曇天で雨が島の輪郭をぼんやりとにじませた、海や空の青も松の緑もとびでてこない、言わば水墨画のような風景だったことが、僕にはじんわりと沁みたのです。
    それは、僕がもう若者ではなくなったことに起因しているのかもしれませんし、さらにはあの島々が人々を救ったということも贔屓目に繋がったのかもしれません。
    もっとも芭蕉は、梅雨の合間の晴れた日に松島を見ています。さすれば、芭蕉とは感性において僕などはやはり歴然と差があるのでしょう(笑)。
    しかし、よく「芭蕉翁」などと言いますが、奥の細道の芭蕉は、実はもう今の僕より少し年下なんだよねぇ(汗)。

    仙石線は、いまだ全て復旧していません。松島海岸駅では、先へゆく代行バスの案内をしていました。僕は、仙石線の駅には戻らず、約一キロ歩いて東北本線の松島駅へゆきます。
    冬の陽は短く天候もすぐれないために、もう黄昏の気配がしています。このあとどこかで温泉に入ろうと思っていたのですがどうするか。今日中には妻の実家へ行かねばなりません。そんなことを思いながら、駅へと向かいました。

    このときは比較的暖かな年の瀬でしたが、その後東北にはやはり寒波がやってきました。空は荒れ、列車の運行にも支障をきたしあわてさせられたりもしましたが、心情的には穏やかな正月でした。
    本年もどうぞよろしく。
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    | 2013/01/09 | 旅行 | 05:42 | comments(2) | trackbacks(0) |

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    | 2016/12/30 | - | 05:42 | - | - |

    コメント
    塩竈神社や松島の風景は、何度も見ているのですが、電車で行ったことがないな。
    でも、記事を読んでいると風景が浮かんでうれしくなります。
    塩竈神社の石段、今、登るのはしんどいだろうなぁ(笑)

    津波から松島の街を守った島々。
    晴天の松島より、鈍色の空に霞む松島の風景が私も好きです。子供の頃はあまり楽しい場所ではなかったけど、今は大好きな場所です。

    たくさんの人が訪れてくれることが、今は一番望まれているのかも知れません。
    その土地へ行き、美味しいものを戴き、美味しいお酒を飲む。
    それが、被災地の皆さんの一助になるならいいですよね。

    何だか、浦霞を塩辛で飲みたくなりました。

    関東は10年ぶりの大雪で、未だに雪に悩まされています。
    雪が当たり前の生活をしている皆さんには、滑稽に映るかも知れません。

    今年は、またベガルタ戦で遠征(笑)もあると思います。その時は、おすすめのマグロ堪能してきます。
    >アラレさん
    いつもありがとう。
    塩釜にせよ松島にせよ、震災を考えるつもりで行ったわけではなく観光および感傷旅行なのですが、歴史散策をしますとやはり浮き出てきてしまうものがあるんです。それに目をそむけるわけでもなくまたあえて注視することもなく、いつものようにあるがままを見ていくつもりで今回も歩いています。
    僕の住む阪神地区も、1月17日に震災記念日を迎えました。ここも全て旧に復したわけではない。しかし、問題が残っているのを知っているのは地元民だけになりました。こういうものなのかもしれません。

    本当は石巻まで行こうと思っていたのです。それは僕のことですからもちろん城跡や金山跡などが目当てでしたが、仙石線が復旧しておらず時間がなくなりあきらめました。多賀城に長く居すぎたんですね(笑)。また次の機会とします。

    復興を考えて酒を呑んでいるわけじゃないです(汗)。その前の年は郡山で大酒呑みましたが、自分の醜態を正当化しようとは思いませんよ(笑)。ただ、浦霞は今年も、うまかった♪
    マグロも安かったしねぇ。本来なら寿司屋かどこかでもっと上等で高価なものを食べなくてはいけませんね。アラレさんは是非そうしてください(笑)。

    関東の雪のたよりは聞こえています。国立競技場の大雪を見てビックリしました(京都橘の試合を観戦しようと思ったのです)。普段降らないところは準備がないから大変です。僕も北陸在住時代の雪かきセットとかはみんな処分してしまってますので、ひとごとではない。
    どうかお気をつけて。滑るでしょうから。
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