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    キラキラネーム 3

  • 2012.02.19 Sunday
  • 前回の続きです。
    どうもこういう話を書くと「今どきの親はけしからん」みたいな話になりがちですが、僕はこういう現象をただ興味深いと思い、自分の考えたことを書き留めているだけです。好き嫌いで言えば好きではありませんけど、非難する気持ちまではありません。ひとさまのお子さんの名前にケチをつけるなんてことは、人としてすべきではないと思っています。
    前回、ティアラちゃんについては少し筆が滑ったかもしれません。反省しています。

    ただ、読めない、というのは、本当に困ったことだとは思うのですね。
    書面にしか現れなかった諱(イミナ)などの時代と違って今は、名前は大いに人に呼ばれます。そういう機会が多い。なのに、読み方がわからなければ人はあなたのことを呼ぶことができない。困るのです。
    アルファベット圏にせよ、アラビア語圏にせよハングルにせよ、識字能力のある人であれば、書かれた名前を読めない、ということはありえないのではないかと思います。中国だって、漢字さえしっかりと習得していれば、読めるはずです。もしかしたら、母国語で書かれた文字列(名前)を、高等教育を受けた人が読めない、などという現象が起こりえるのは、日本語だけであるのかもしれません。これは、えらいことではないのでしょうか。
    しかしこれは、今の親の責任だけではないと思います。

    僕の同級生に「直」という名の男がいました。これは「なおし」と読みます。しかし、これが読まれない。来る先生来る先生が間違える。「ただし、でいいの?」「すなお君か?」「なおき?」もう気の毒でした。あだ名は当然「チョク」です。
    他にも「裕美」ちゃんがいましたがこれも「ゆみ」か「ひろみ」かわからない。こういう名前は、自分が親になったらつけないでおこう。その時は思いました。
    こういうのは、日本語における漢字が悪いのです。と言いますか、その漢字を読んできた昔の日本人たちが、悪い。
    そもそも漢字というものは、中国においては1字1音です。しかし日本においては、音と訓ができてしまいました。さらに音読みでも幾通りもある場合が。「直」であれば「チョク」。また呉音で「ジキ」です。正直のジキですね。これは、音が伝わった時期によって読みが異なってしまったのです。詳細はこちらを。
    訓ですと、なおす。なおる。ただちに。すぐ。漢字に和語を当てはめ、そのように日本では読み慣わしてきました。
    じゃ、なおしとかすなおとかただしって、なに? これは「名乗り読み」と呼ばれる読み方です。人名だけにつかわれる読みです。
    普通は、訓読みに近い読みとなっています。直はなおす、という意味だから、なおし、とか。
    しかし、よくわからないものも。裕美の「裕」は音で「ユ・ユウ」。訓だと「ゆたか」ですね。この一字で「ゆたか」と読む男性名はよくあります。しかし「ひろ」とは何でしょうか。これが「名乗り読み」です。ゆたかでゆとりがあって、ひろい心がうまれるから「ひろ」でも良かろう。そんな感じでしょうか。連想ゲームか。昭和天皇が「裕仁(ヒロヒト)」であったことから、昭和では爆発的に使用されるようになったらしく。
    しかし「裕」は「ゆたか」そして「ひろ」だけではなく。漢和辞典には音訓以外に、人名読みも出ています。それを列挙すると「すけ・ひろ・ひろし・まさ・みち・やす」と。おーいなんだよこれは! これが「名乗り読み」というやつか。すけって何? そもそも「右」という字には助けるという意味があって、「右」「佑」「祐」は「すけ」と読むけど、祐と裕が似てるから間違えたんじゃないの?(暴論)
    しかしそういう暴論を言いたくなるほど「名乗り読み」というのは多いのです。さっきの「直」だと「あたい・すなお・ただ・ただし・ただす・ちか・なおき・なおし・なが・ね・のぶる・ま・まさ」と並んでいます。なんだこれは(汗)。

    こういうのは、昔の人が悪いんです。この「名乗り読み」とは、そう読んでもいい、ということではなく、昔の人はこう読んだ、という蓄積であるのですから。あくまで、前例。
    楠木正成は「まさしげ」です。しかし成をなぜ「しげ」と読むのか。正成という名前だったら、普通は「まさ(ただ)なり」だと思いませんか? 源頼朝は「よりとも」。なんで朝が「とも」? 鎮西八郎為朝も三代将軍実朝も「とも」。ところで実はなんで「さね」? 実の中には種があるから?
    キリがないのでやめますが、名乗り読みなんて本当に意味がわかりません。現在の法律が「漢字は制限するけど読みは自由だよ」なんて言っているのは、この時代からの日本の伝統なんです。
    大名の名前なんて、本当に読めませんよ。幕末の教科書記載レベルの有名どころでも伊達宗城(ムネナリ)、山内豊信(トヨシゲ)、松平容保(カタモリ)、板倉勝静(カツキヨ)、堀田正睦(マサヨシ)なんてね。こんなの知ってるから読めるんです。徳川家茂(イエモチ)にせよ一橋慶喜(ヨシノブ)にせよ。普通は喜を「のぶ」とは読めないよ。こんなのみんなDQNネームではないのですか。
    こういう人たちがいたづらに「名乗り読み」を増やしたのではないかと推測。
    「信」は音で「シン」、訓はありません。どう読もうと自由とはいえ、昔から名前では「のぶ」と読んできたじゃないですか。なんで「のぶ」と読むんだと言われればそれは困りますが、織田信長だって松平定信だって乙羽信子だって、みんなノブちゃんじゃないですか。それを「しげ」とか増やすなよ(汗)。「保」は1字で「たもつ」くっついて「やす」。それでいいじゃん。なんで「もり」と?(汗)。
    別にかつての支配者階級たちを擁護するつもりはありませんが、実際にはこの時代、こういう読みはほとんどおもてに出ることはなかったと推測されます。「諱」ですから。伊達宗城は「殿さま」であり、伊予守、大膳大夫。仮に親であっても通称で(亀三郎など)呼ぶでしょう。宗城(ムネナリ)様と呼ばれることはまずありませんでした。なので、誰も「城をナリなんて読めないよ」と困る人がおらず、比較的寛容であったという見方もできます。今と違って。
    しかし、こうした昔の人物名の読みは、辞書には載ってしまいます。歴史書を読み解くために。
    そうして、ひとつの漢字に数多くの「名乗り読み」というものが蓄積され、辞書にたまってしまうのです。いくら室町時代の公家や江戸時代の大名はヒドいよと言っても、もうしょうがない。時は遡れない。これらは前例となって、ズラズラと列記されてしまっています。
    しかしながら、以前であればそういうのが名付けに利用されることはあまりありませんでした。あまり珍しいものは特殊なもの、とわかっていましたから。また漢字と音は連動していましたので、「かずお」と名付けたければ「和夫」か「一雄」か、あとは数種の入れ替えしかない。「よしこ」なら「良・芳・好・美・佳・淑・善・義・喜・嘉」とバリエーションは豊富ですが、これらの字はせいぜい「良子(リョウコ)」「佳子(カコ・ケイコ)」と重箱読みするくらいでほとんど読みでは間違えない。「淑子(トシコ)」はあったかもしれませんが「好子(コノコ)」はないでしょう。今ふうの「遥詩香」なんてありえません。ある程度の大枠がありました。
    今は、まず響きの良い名前の読みを選び、そこに漢字を当てはめる時代。まず漢字は音訓から探すとは思いますけれども、そこに満足がいかなかった場合、人名読み一覧まで見て「あ、こんな読みもあるんだ♪」と採用してしまう。辞書に載っていることをお墨付きのようにして…。

    僕の個人的な思いとしましては(あくまで個人的として)、これから親になる若い人は、まずは、できれば最低限、新例は作ってほしくないんですよ。読むほうが大変だから(汗)。
    名前ってのは、自分で読むよりも他人に呼ばれることのほうが多いじゃないですか。せめて、前例がある読みのほうが読まれやすいと思うのですよ。
    その前例も「容保(カタモリ)がいるから保はモリでいいんだな」じゃなくて、「やす」とか「たもつ」などの、できれば読み慣わされているものを選んでほしい。でないと、ワシらが読めない。「世界にひとつだけの名前」というお気持ちはわかりますけど、読む側のことも少しは気遣ってくれたら…。

    しかし、いくら僕がそんなことを言ってもムダで。新しい名前は、どんどん生み出されています。自由だもんなあ。
    さて、日本の命名には現在、ルールというものはほぼありません。戸籍には読みかたが記載されないため、どんな読みも可能です。よく「太郎と書いてジローと読んでもいい」という話がありますが、事実です。
    ただし、使用できる字には制限があります。

    戸籍法の50条(第4章「届出」第2節「出生」)に、
    ・子の名には、常用平易な文字を用いなければならない。
    ・常用平易な文字の範囲は、法務省令でこれを定める。
    と、あります。
    その法務省令とは、戸籍法施行規則の第60条「常用平易な文字の範囲」です。以下。
    戸籍法第50条第2項の常用平易な文字は、次に掲げるものとする。
    1. 昭和56年内閣告示第1号常用漢字表に掲げる漢字
    2. 別表第2に掲げる漢字
    3. 片仮名又は仮名(変体仮名を除く。)
    1の漢字は常用漢字2136字であり、2は人名用漢字861字です。つまり使用できる漢字は計2997字(2012/2現在 これは増減の可能性あり)となります。他は、ひらがな、カタカナということになります。
    逆に言えばこれ以外は使用できないわけです。例えば英数字はダメ。1郎やQ太郎では受理されません。変体仮名というのは、ちょっと変換できないのですが、うなぎ屋さんの看板に「うふぎ」みたいに読めちゃう字がよく書いてあるじゃないですか(わかるかな^^;)。あれです。あの字はダメってこと。

    さて、僕は「名には常用平易な文字を用いなければならない」なんて法律で決めるのはおかしい、と思っています。漢字がこれだけたくさんあるのに、それに国家が枠をはめて押し付ける権利なんてあるわけがない。実に阿呆らしい。憲法が保障する表現の自由に反しており、違憲の疑いもあると考えています。戦前は、自由でした。
    そもそも常用漢字なんてのは戦後の「当用漢字」1850字がもとになっているわけで、この当用漢字というのは国語審議会が日本から漢字を全廃することを目的にして定めたものです。だから「当用」なんです。過渡期だよ、いずれ漢字は全部無くすからね、それまで当座これだけは遣ってもいいよってこと。えげつないことが国家によって推し進められようとしていたわけですが、そんな流れは当然ながら揺り戻しがきて、現在に至っても漢字は無くなってはいません。でも、その名残として、今でも新聞記事は「ら致」「破たん」「隠ぺい」などと書きます。読みにくいったらありゃしない。そりゃ当時は活字を1850字用意すればよかった新聞社は当用漢字はありがたかったかもしれませんが、もうそんな活字拾ってる時代じゃないでしょう。このデジタル時代に、制限なんて無意味です。常用漢字なんて廃止してしまえ。
    しかし個人の心情としては、僕は「名には常用平易な文字を用いるべき」という考えを持っています。国が法律で決めるべきことじゃない、とは思いますが、人への気遣いという面では、読みやすい名前のほうがいいという考え方であるからです。
    それはともかく。
    上記戸籍法が施行された昭和23年当時は、法務省令で定めるところの常用平易な文字は当用漢字1850字しかありませんでした。そこには「之・也・吾・彦・奈・輔」などの当時の名前の基本となるような止め字、また「浩・淳・聡・昌・朋・弘」など人気の字が含まれていなかったために、昭和26年に別表で92字だけ追加しました。これが最初の人名用漢字です。しかし+92字ではやはり少なく、徐々に追加されまた訴訟もあり、最終的に現在861字まで増えたわけですが、特に2004年には3倍強になりました。要望も多く、ここで一気に増やしたようです。
    このとき要望の実態調査に関わられた笹原宏之氏の著作「日本の漢字」を読んでいましたら、興味深い記述がありました。
    このとき全国で最も「人名漢字に入れてくれ」との要望が多かったのが「桔」と「苺」であったということです。「桔」は桔梗の字ですね。この当時の親がどういう名前を付けたがっていたのかがよくわかる気がします。桔と苺はこのとき人名用漢字となりました。そして、全国に苺ちゃんや苺姫ちゃんが増えたみたいですね。
    さらに「僾」という、にんべんに愛という字の要望が多く上がったらしいということです。僕はこんな漢字知りませんでした。読みは「ほのか」と。その響きは実に若い人に人気がありそうです。
    ですが、意味は「ぼんやりしている」ということのようで。僕の漢和辞典には「むせぶ・呼吸がつかえる」ともありました。かくれる、という意味もあるらしいです。あまりいい漢字とはいえないような。
    笹原氏も指摘されていますが、音先行で「ほのか」と名づけたくて、どういう漢字を当てはめるか調べた際、「仄」では灰みたいだし「恍」では恍惚の人みたいで困る。「僾」は人に愛し愛されるみたいな感じで、これはぜひつかいたいと思ったが、人名用漢字にないので要望、という流れではなかったのだろうか、と。
    こういう話を読みますと、思わず「やはり法律で漢字は制限したほうがいいのか」との思いに揺れてしまいます。笹原氏はもっと驚くべき漢字が要望に上がった、と書かれています。
    それは「胱(コウ)」。字面は確かに「月光」に見えます。月の光とはイメージがいい、男の子ならコウキとでも付ければ、女性でも「柴崎コウ」とかいらっしゃるし…と思われた方がおられたのでしょう。しかし、よく見てください。これは「膀胱(ボウコウ)」の胱です(汗)。
    法務局に要望する前に、漢和辞典を見ないのでしょうかね。漢和辞典がもしも家に無かったとしても、この時代なんらかの調べる手段はあると思うのですが。要望には「腥(セイ)」もあったようです。月と星か。意味は「なまぐさい」。調べないのでしょうか…。

    もしかしたら、漢字の位置づけが変わってきてしまっているのかもしれません。漢字は、音も示しますが字の中に意味も内包しています。その「表意文字」の部分が、徐々に薄れてきてしまっているのでしょうか。
    イメージというものは、あるようです。その漢字の雰囲気といいますか。「感字」という言葉もあるようで。
    例えば「空」という字は人気があるようですが、どうも「抜けるように高くどこまでも広く青い空」というイメージだけが突出し、空虚な、なにもない空っぽ、あく、すくなどの良くないイメージはどこかに行ってしまったかのようです。そもそも「穴」に音を表す「工」が重なった字です。穴なんですよ。僕なら命名にはつかいたくない。しかしイメージは「からっぽ」より、そこから派生した「sky」へ。
    中国で象形文字から発展し形成された漢字は、1字が1音節を示す表音文字であると同時に、ひとつの意味を持つ表意文字でした。日本へ輸入された漢字は、そのまま中国語として用いられると同時に、日本語を表記するための表音文字として取り入れられました(万葉仮名)。しかし漢字は中国語としても徐々に日本語に入り、中国語としての字義を示すだけに留まらず、訓読みというものが発明され、表意文字として日本語の中に完全定着しました。表音文字としての漢字(万葉仮名)は、ひらがなカタカナとして発展的解消しました。
    現在は、命名は音先行。漢字は、名付けにおいては再び万葉仮名化してゆく傾向にある、とも言えます。ただ、良字を選ぶ。「琉絆空(ルキア)」も、例えば「流飢哀」などとは名付けない。大切な子供の名前ですから当然のことでしょう。しかし、そのくらいの意味しか持たなくなってしまったのでは、とも思えます。
    それでも漢字をつかうのか。それしか音をあらわす文字がなかった古代とは違って、今は表音文字としてのひらがな、カタカナがあります。それで事足りるはず。それでも、名付け親たちは敢然として漢字をつかう。どうしてでしょう。
    暴走族の「夜露死苦」と同列にしたら親御さんたちに怒られるかもしれませんが、なんだか漢字をつかうとカッコいい感じがする。重みが増すように思える。この「重み」というのは、肝要なことであるのかもしれません。もっと言えば、呪術性が加味される、とも言えるでしょうか。
    漢字を、日本語としては表音文字としてのみとり入れていた時代にも、その表意性が浮き上がってくる場合もありました。よく知られていることですが、万葉集で「恋(コヒ)」を「孤悲」と表記している事例が多くあります。詩的ですね。このようにすれば、万葉仮名はただの表音文字にとどまらず幾重にも想いが層をなすことになるのです。
    現代の親も、やはりかつて万葉仮名で古代の詩人がやったように、文字を重層化させて、思いをこめようとするのでしょう。幸多かれと。前途に良き未来あれ、と。
    そんな人々の思いがある限り、命名において漢字は廃れてはいかないのではないかと思えます。

    しかし、今の名前は難しい(汗)。その思いをこめた漢字が読めないよ。その恐るべき用法について、次回
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    | 2012/02/19 | 言葉 | 07:56 | comments(0) | trackbacks(0) |

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