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    キラキラネーム 2

  • 2012.02.15 Wednesday
  • 前回の続きです。「日経新聞」 の、難読命名が増えたという記事からの話です。リンク切れの場合は前回を参照してください。

    さてその「読みにくい」ということの原因ですが、3つほど要因があるのではと思います。
    ひとつは、総論みたいなものですが、名前をより個性的にしようとする心理が働いている、という説。これは、日経の記事でも言及されています。少子化でもあり、親だって名前をつけるチャンスが少ないのです。なので、他人とは絶対に違う名前にしたい。個性を持たせたい。漢字も厳選したい。そして結果、キラキラした名前になってしまう、という話です。
    次に(各論的になりますが)、その名が今までの日本の名前に無かった音の連なりになっている、ということ。
    みしょう君、しでん君、るきあ君、せいらちゃん、しえるちゃん、のあちゃん。こういう日本人の名前の響きに、我々はまだ慣れていないと思うのです。経験がないので、そのように読むという発想が出てこない。
    さらに、漢字の使い方ですね。
    心愛でここあちゃん。こころ・あいの頭だけをとった命名。僕らからしてみれば、どうひっくり返っても読めないわけですが、名前の読みは自由だからなあ。
    最も多いのは「翔」と書いて「と」と読ませるものでしょうか。すごいな。「とぶ」の「と」なのでしょうけれども、「とぶ」と今打ち込んでも「飛ぶ・跳ぶ」としか変換しません。基本的には「かける」が翔の訓です。
    「翔ぶ」で、とぶと読むのが一般化したのは、「翔ぶが如く」からかな。「翔んだカップル」のほうかな。意味は「天翔る(あまかける)」ですからもちろん「とぶ」と訓じてもいいと思います。しかしその「と」だけを借用するというアイディアは、まさに翔んだ発想。
    これら要因が重なって、読めない名前となっているのではないかと考えます。

    まず、個性を重視した場合。
    しかし、個性的な名前にしたい、という親心は、今に始まったことではありません。そういう気持ちをみな持っているからこそ、「寿限無」という落語を聴いて大爆笑するのです。
    実際に珍しい名を子供につけた親として、織田信長がいます。信長の長男(後の信忠)は「奇妙」という名でした。次男(後の信雄)は何と「茶筅」です。それに比べれば、今の子なんてかわいいものかもしれません。
    僕が、こんな名前があるのか、と最初に驚いたのは、江崎玲於奈博士のノーベル賞受賞のニュースであったかもしれません。「れ、れおな?!」 日本人とは思えませんでした。でも、そんなの今じゃ普通なのかも。
    気の毒なのは、思い切り個性的な名前をつけたつもりで、実はそうでなかった場合ですね。
    僕のごく親しい間柄の人に、男の子が生まれたときのことです。もう十何年か前ですけど。
    「"陸"という名前にしたんや。大地にしっかりと足をつけて生きていけるように。どないや、ええ名前やろう。個性的で」
    「そやなー。他にない名前やな」
    僕はそう同意しました。本当に珍しい名前だと思ったのです。珍しすぎて、学校でいじめられるのではないかとまで危惧しました。しかし…。
    「陸」という名は、実は常に名前ランキングの上位に入っている「ありふれた名前」でした。ある年は1位になったことも。へー。少なくとも僕ら(上記命名者も同世代です)のまわりにはいない名前でしたので、個性的だなと思ったのですが…。名付けたあいつは、どう思っているでしょうか。個性的と信じていたはずなのに。多分クラスに2、3人は陸クンがいるんでしょうね。世の人の発想は、似てくるのです。
    颯太クンや陽翔クンも、個性を重視して名づけられたのかもしれません。難しいもんだな、と思いますね命名というのも。
    もう「陸」じゃ駄目なんだ。もっと「世界にひとつだけの名前」を付けなくては。only one。そういうのが高じて、難読命名に繋がってしまうというのは、わかります。親の気持ちとしてね。

    そして、音の問題が出てくるのでしょうが。
    しかしこれは、時間が解決するのかもしれません。みしょう君や、るきあ君、しえるちゃんが「よくある名前」になればね。そうなれば琉絆空くんに対して心構えが出来て「えーっと琉球のリュウやろ、あ、ルかもしれん。絆はキヅナのキだけとって、ルキ。空はなんかわからんけど、ルキまでくればルキアかもしれん。よくある名前だから」なんてね。経験をつめば、なんとかなる可能性もあります。
    しかし、ルキアなんてどこから思いつくんでしょうねー。何かの登場人物にいるのかもしれませんが、あたしゃ知りません。けれども、ルキア君って多いらしくてね。もしかしたら、僕らの世代のヒロシやタカシ並みであるかもしれません。
    こういう名前は「音先行」であるのは間違いないでしょう。日経も「音の響きやリズム、イメージを重視する傾向が急速に強まっている」と書いています。漢字はあとから当てはめるということ。で、その「音」の発想がどこからあるのか、ということですが。
    元ネタがわかりやすい名前もあります。外国の名前からとったりすればね。樹里亜や紫音、健翔。外国で通用する名前にしたい、という親心。実際は世界に通用するためにはいくら名前を外国ふうにしてもダメで本人の実力なわけですが(笑)。しごく日本的な名前でも本人次第で通用しますからね(例:イチロー)。
    しかし気持ちはわからなくもない。こういうのは、森鷗外が有名ですね。子供に於菟、茉莉、杏奴といった名前をつけました。於菟(オットー)と聞けば、僕などはオットー・ワンツを思い出しますねー(独のプロレスラーですが)。鷗外はドイツ生活が長かったわけで、そのことが反映されています。案外、当時は切実な思いだったのかもしれません。
    他に、小説や漫画、ドラマ、アニメなどの登場人物からのあやかり名とかね。こういうのは昔からあったことです。きれいな女優さんやアイドルの名を拝借する、とか。しかしながら、今のアニメとかの名前は、日本人という設定であっても昔みたいに「正太郎」とか「甲児」じゃないですからね。
    僕の知ってる範囲内で、ハルヒちゃんが3人ほど実在しています(笑)。ハルヒならまだわかるけど(西宮市民なので)、「ひたぎ」「ほむら」「いのり」「まぎか」…。こういう名前に僕ら世代は慣れていませんので、どうしても戸惑い、結果読めないわけです。まして「カミーユ」「ゲンドウ」なんて、無理。
    さらにただ「響きがいい」というだけで選んだ文字列とか。「ティアラ」という名前は実在するんですってね。驚きです。
    しかしながら。
    この「てぃ」という発音を名前に入れるということは、相当な冒険ではありますまいか。日本語の音韻ということから考えますと。

    日本語の本来の「音」というものは、どういうものであったのか。古代にテープレコーダーがあるわけではないのに、研究はなされています。学者とはすごいものだと改めて思いますが、上代(古事記の時代)には日本語の音節は88音あった、とされています。万葉仮名でそれだけ書き分けられている、ということです。古代人は現代人よりある意味複雑な発音をこなしていたことになります。「こ」にも「ひ」にも2種類の発音がありました。この話はあまり関係ないのでここまでにしますが。
    そのうち、整理統合されてきまして、近代には68音になったわけです。50音図を思い出していただければいいかと。あいうえおかきくけこ、ですね。あかさたなはまやらわがざだばぱ×5=75、そこから「じ」と「ぢ」は現在同じ発音なので外す、等の作業をしますと67音になります。「ゐ」も「ゑ」も現在は発音としては基本的に消滅しています。「を」も発音はwoですので、もう音としては存在していないことになります。字だけ残っているわけです。
    この67音が、日本語本来の音韻です(半濁音ぱぴぷぺぽについては、諸説ありますが)。それに撥音(ん)を加えて、68音です。(上代に「ん」はなかったようです)
    しかし、音節はまだあります。促音(っ。っだけでは音節にならないので、てっ・かっ・とっ等として成立する)、拗音(ゃゅょ。「きしちにひみりぎじびぴ」に付いて成立する。きゃ・しゅ・ちょ)、長音(ー)などです。
    これら音節が出来たのは、音便化もありますが、漢字の音が日本語に入ってきて生まれた音が多いわけです。ずっと昔の日本語には、こういった音はなかったのです。現在でもこれら音節には単独のカナがなく、こっ、ちゃ、きゅ、しょ、とカナを組み合わせて表記せざるをえないわけです。(撥音「ん」だけは後にカナが出来た)。
    これら拗音などは、漢字と同時に日本に「外来音」として入ってきたとも考えられますが(8世紀には既に存在したとも考えられています)、「日本語」の発音として定着したのは室町時代くらいでは、とも言われます。音便化でも拗音が遣われ(「しませう」が「しましょう」となる等)、名前にもとり入れられます。名前に入れば、それは完全定着ですね。最初は役職名の通称化からだったかも(「弾正」「修理」「日向」など)しれませんが、のちには官職に関係ない名前も出てきます。「坂本龍馬」なんてのはそうですね。
    漢字によってもたらされた拗音などは、こうして長い時間をかけて日本語の音に定着しました。現在では、日本人だれもが何の問題もなく発音できると思われます。

    明治以降、今度は欧米の言葉がどっと入ってきました。そこには、今まで日本語になかった発音、あるいはかつて存在したかもしれないが既に消滅した発音が数多く含まれています。「うぃ・てぃ・とぅ・でぃ・どぅ・つぉ・ふぁ・ふぇ」など、何とか聞き取ったその音に、日本語も対応しなくてはいけません。なので、拗音を超えて「ぁぃぅぇぉ」などの文字をつかって、なんとか表記してカナで消化しようとがんばりました。「Tiara」もチアラなどではなく「ティアラ」と、原音に近づけた表記にしました。
    しかしこれらは、まだ日本語の音韻として完全定着するには至っていないのではないでしょうか。
    年配の方々はまだ「ティー・ディー」をちゃんと発音できず、TBSをてーびーえすと言ったり、Dを「でー」と言われたりします。まだまだこれらは「外来音」の域を出ず、日本語の音として定着するにはもう少し時間がかかるのではないか、と僕は思っています。漢字の促音や拗音だって結構時間がかかったんだ。まだDを「でー」としか発音できない世代が残るうちは…。いや、僕だって「クォーツ」「ウェイト」など正確に発音できているかどうか。「うえいと」とつい言います。
    しかし、その「完全定着」していない音をもう「名前」に使用する人たちがあらわれたのです。おいおい気持ちはわかるけどちょっと待て、早すぎるぞ、と僕なんかはどうしても思ってしまうのです。おじいちゃんおばあちゃんは、「ティアラちゃん」と呼びかけられず「テアラちゃん」になってしまう場合もあるのではないですか。孫の名が呼べない悲哀、なんて話はあまり聞きませんが、無いとはいえません。僕だって、もしもウェンツ君なんて現れたらそれは「うえんつ」と発音してしまうでしょう。
    苦言を呈するわけではありませんが、まだ日本語として完全に定着していない音韻をもちいた名前をつけるのは、人にやさしくない態度ではないでしょうか。これだけは、思うのです。

    そして、名前に外来音を使用した上で、さらに「漢字」に当てはめようとするのです。それは無理だよ(汗)。漢字にはそもそも無い音だもの。
    「シェリー」としたかったのに漢字に「シェ」の音が無いのでしょうがなく「詩絵里」にした。これは「しえりちゃん」であれば読めます。しかし「シェリー」と読めといわれてもこれは予備知識なしには読めません。役所は漢字でなくてもひらがなカタカナで受け付けてくれるんだから、無理に漢字にしなくてもいいと思うのですが。その、それでも漢字をつかう心理は、非常に興味深いものがありますね。
    「ティアラ」ちゃんは、某芸能人の娘さんに実際にいらっしゃるらしい。しかしながらその漢字は、さすがにプライベートなので公開されておられないのか、検索しても説はあるものの確実な答えは得られませんでした。しかし、漢字であることは間違いないようです。絶対に、当て字だと思われます(笑)。
    こうした外来音で名づけようとすることも、読めない名前の一因になっているのでは、と思われるのですが。

    以下、名前における漢字のつかいかたについて言及したかったのですが、長くなりました。次回へ。
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    | 2012/02/15 | 言葉 | 06:18 | comments(6) | trackbacks(0) |

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    | 2016/12/30 | - | 06:18 | - | - |

    コメント
    キラキラネームは否定的な意見が多いですね・・・
    たしかに読めないので不便さはありますが、オイラは個性的で好きですよw
    うちの娘もキラキラじゃないですが、まず読んでもらえません。
    ある種それも狙いなので一発で読まれたら悔しいですがww
    ところでルキアって聞いたことのある響きだな、何かのキャラクターだっけ?って思って検索しました。
    クイズマジックアカデミーっていう聞いたことのないゲームのタイトルが出ましたがww

    的場浩司の娘の漢字は「宝冠」です。
    最初はすごい珍しい名前だと思いましたが、今じゃ普通ですねww
    有名人の名前は真似されちゃいますからね〜。。。
    (キムタクの)心美ちゃんとか、(松田聖子の)沙也加ちゃんとか当時一気に増えるんですよね。
    長編ブログお疲れ様です、名前の歴史にもふれてあり興味深かったです。
    異国風とか無国籍風の名前を追求しているような時代ですが、今のところ「姓・名」というルールが破られてないことに救いを感じました、今回の記事を読んで。
    >にがさん
    長いのを読んでいただいてありがとうございます。内容は僕の覚書きのようなものですみません。風邪ひいて寝込んでたときに、こんなことばっかり考えていたんですよ(汗)。あと2回は、続きます。
    ところで、
    「ある種それも狙いなので一発で読まれたら悔しいですがww」
    この一言に僕は非常に衝撃をうけました。若い人にはそういう考え方もあるのか、と。
    以降の記事の内容はもうほとんどできあがっているのですが、次回記事で僕は「名前とは現在、自分で読むよりも他人に呼ばれる機会のほうが多い」ので「他人が読めないと不利益がある」という意味のことを書いています。これは、にがさんには不愉快に思われる内容かもしれませんので、先に謝っておきます。ごめんなさい。m(_ _;)m
    しかしこのにがさんの一言は、また連載にできるくらいの内容をもっていると思います。僕は、全てを根底からひっくり返されたような驚きでしたので(笑)。この話が一段落したら「一発で読まれたら悔しい」という考え方について、是非ひと記事書きたい。ダメですか?(笑)
    こんばんは。お久しぶりです。
    この記事興味深く読ませていただいてます。
    全部読ませていただいた後でまたコメントさせていただきますが、
    「ルキア」の元ネタらしきものを聞いたんでコメントさせていただきますね。

    どうやら「ポケットモンスター」のなかのポケモンキャラのなかに「ルキア」というのがいるようなんです。

    でも、今のお父さんお母さんはポケモン世代より少し前の人が多そうですから、どうかな?とも思っているんですが。
    • さがみ
    • 2012/02/16 11:39 PM
    >さがみさん
    ご無沙汰しています。どうもすみません(汗)。
    「ルキア」ポケモンですか。僕はポケモンというものの実態をよく知らず(あれはゲームかアニメか?)知ったかぶりはやめようと思いますけど^^; 
    噂によれば「光宙(ピカチュウ)」という名を持つ子がいる、という話がありますね。本当か都市伝説かはわからないんですが。

    この名前の話、内容はあまりないんですが、どうも長くなりそうです。すみません。
    >凛太郎さん
    いえいえ、いろんな考え方があると思ってますので平気です☆
    それより、オイラの一言に衝撃を受けて思いついた記事、ぜひ読んでみたいです!
    >にがさん
    どうもすみません。許容していただいてありがとうございました。
    この命名についての話は第4話で完結の予定でしたが、にがさんの言葉を引用させていただいて、これから第5話を書き始めます。週末には投稿できるかな…。
    コメントする
    通りすがり・暇人・名無しなどの呼びかけにくいHNはご遠慮下さい








       
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