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    恵方巻に間にあえば

  • 2012.02.04 Saturday
  • 「砂を噛む」というのは、例えです。慣用句。ことわざというほどではないと思いますが、つまり味のないものを口に入れる、ということで、つまらない、面白くないことをあらわします。受験生ブルースに「すなをかむよなあじけない〜♪」ってフレーズがありますわね。
    味を感じない、ということは、まさに砂を噛むようなものです。つまんないの。というわけで、味覚障害の話の続きです。風邪ひいて舌がおかしくなっちゃったわけですよ(汗)。
    味がしない、と申しましたが正確には、味覚と嗅覚が失われました。「味」というのは舌だけではありませんね。味は香り、そして舌触りがプラスされて完璧になる。「匂い松茸味しめじ」と申しますが、松茸だって味が全くなければそれはうまくありませんし、しめじも実は香りが利いているのです。全ての食べ物は、それらが相乗されて味を構成しているのです。

    よく「見た目」というものが味には重要だ、美しく盛り付けられてこそおいしさを感じる、という意見があります。日本料理では特に強調される部分ではありますが、「視覚」は「味覚・嗅覚・触覚」に比べ、あくまで二次的であると考えられます。確かにいろどりがきれいであるにこしたことはありませんが、その見た目は味とは基本的に関わらないものである、ということが今回よくわかりました。
    思えば、真剣に味に立ち向かう人は、その瞬間には目を閉じます。世界的に評価の高い祇園の料理店「千花」では、ご主人が最後に味を決めるときには、必ず目を瞑り神経を研ぎ澄ませて味をみるそうです(こんな三ツ星の店行ったことありませんよ^^; 森須滋郎氏等の本からの受け売り)。利き酒だって、目を閉じますよね。「世界の料理ショー」のグラハム・カー氏は、そのうまそうな料理を味わう時、まず一口目は目を閉じています。その感じが、実に「味わってるな〜」と思わせてくれます。
    結局、視覚が味に関わる部分というのは、記憶によるのです。今までうまいものを食べてきた記憶が脳に蓄積されていて、その食べ物を実際に目前にしたとき、過去の記憶がよみがえり「ああ…うまそう…」と思うのです。初めて食べるものでも「これおいしそう」と思うのは、その蓄積された記憶が脳内でデータベース化され、それらを組み合わせて判断しているのでしょう。この食べ物がこういう色でこういう形状になって登場すれば、うまいに違いない。そう見極めます。そして、脳内で味の記憶を構築しそれをさらに反芻し、その食べ物に対して期待が高まるわけです。唾液も出る準備をはじめます(あるいは出てしまったりします…( ̄¬ ̄*)ジュルリ…)。この状態を「目で食う」と呼ぶのかと。また「音で味わう」も然り。中華風おこげに餡がかかるジューッという音を聞いて、聴覚的に期待が高まるということだと思われます。こういう音がすれば、うまいに決まってる、と。
    その視覚・聴覚は「味がしない」という状況下においては、邪魔でしかありません。うまそうなものを見ると僕も当然「ああうまそう〜」と思うではないですか。しかし実際にそれを口に入れても、まったくうまくない。「砂を噛む」が如しであるわけですから。つまり「目で味わった」ぶん、その落胆感が増すわけでして。悔しい。「見た目」なんてクソクラエです。この言葉についてよく「カレー味のうんこかうんこ味のカレーか」という究極の選択がありますが、味覚嗅覚を失うとこんなのは簡単に答えが出てしまうのです。(伏字は反転しないように)

    本格的に風邪引いたとわかったのが先月の23日。で、その風邪は鼻がグズグズいうのをのぞいてはもう先週中にほぼ治っています。体調もとくに悪くはない。しかし、なかなか舌に味覚が戻らず、嗅覚もほぼありません。このまま一生戻らなかったらどうしよう。そんな不安感がよぎります。
    カミさんが何か買ってきてくれました。

    「これ飲みなさいよ。ファンケルのサプリ」
    「なになに、"からだにしっかり届く亜鉛"とな」

    亜鉛のサプリメントなんてのもあるんですね。「亜鉛は、味覚を正常に保つのに必要な栄養素であるとともに、皮膚や粘膜の健康維持を助ける栄養素で、たんぱく質・核酸の代謝に関与して、健康の維持に役立つ栄養素です」と書かれています。なるほどねー。

    「1回に2錠づつ飲むのよ。飲みすぎてもダメなんだからね」
    「はーい」

    あきらめずに、回復を待つしかありませんね。
    火曜日にある人と食事の約束をしていたのですが「風邪引いてしまった」ということにして延期してもらいました。本当は風邪を引いたからではなくその後遺症が残っているだけではあるのですが「元気なのだが味がわからない」てなことを説明するのも難しいことですし、身体が動くなら来い、と言われそうでしたので、嘘をつきました(厳密にはウソじゃないよね^^;)。申し訳ない。僕だって悔しいのです。捲土重来を期して、今回は見送り。臥薪嘗胆の心境です。
    臥薪嘗胆てのは、焚き木を枕に寝て苦いキモをなめることですけど、このキモって熊の胆のことなのかな。熊の胆というのは今や高級品のはずで僕は服用したことはありませんけど、相当に苦いもののようですね。しかしこの舌の状態であれば、なめることに何の苦もないなー。これでは、耐え忍び「今にみていろ」と思うことはできませんね。

    しばらくは、口中は触感だけでした。
    しかし「触感」というものは、五感のひとつというにはあまりにもバリエーションがあります。そのことが、味覚嗅覚を失うとよくわかりました。まず、熱い冷たい。微妙な温度差。そして歯ざわり舌ざわり。サクッ。パリッ。ねっとり。シコシコ。ちゅるん。さらに、痛点も。辛い感覚は消えませんでした。ピリピリ。ヒーハー。それらは全て触覚に分類されます。僕の口中感覚は触覚に特化されていましたので、意外にも複雑であったこの感覚を十二分に味わいました。それしか食べる楽しみがないので。
    そうして味気ない生活を続けていましたが、少しづつは回復のきざしが見えてきたようです。まずは、鼻が通りました。
    ずっと鼻をかみすぎていて耳がおかしくなりそうだったので、界隈で話題になっていた奇跡の手間も金もかけずに鼻づまりを直す方法もやってみましたよ。さすれば、確かに鼻は通るんですね。すぐに元に戻るのですが(汗)。しかしながら、これも繰り返しているうちになんとなく通るように。これのおかげで治ったのかはよくわからないのですが。
    しかし、鼻は通ってもすぐに嗅覚は回復しないんですね。しばらくはダメでした。
    面白いことに、全てが均一に戻ってくるわけじゃなかったのです。レモン汁の酸っぱい匂いが最初にわかるようになった、と前回書きましたが、酸味関係の匂いは戻りが早かったですね。インスタントコーヒーの話ですが、うちにあったネスカフェのエクセラ(安いほう)は、直接ビンに鼻を近づけて匂いを嗅いでも何も匂いません。ところがそんな状態でもゴールドブレンド(高いほう)は、コーヒーの香りこそしないものの、酸味を感じさせる匂いはするのです。キリマンジャロやモカで感じるような。興味深いなと思いましたね。ゴールドブレンドのほうが複雑な香りを内包していたのでしょうか。
    そうして、段階を踏んで香りを少しづつ取り戻していきました。毎日ひとつづつ要素が増えていく感じ。炊き立てのごはんの香りがわかったときは、うれしかったですねえ。
    味も、徐々に回復。亜鉛が効いたのでしょうか。
    これも、興味深いことに段階をふみました。酸味が最初に回復したのは香りと同じ。毎朝レモン汁と塩と砂糖を舐めていたのですが、レモン汁から味がわかるように。逆に、甘味がなかなか元に戻りませんでした。どういうシステムなのでしょうね。これは個人差があるかもしれませんのでよくわかりませんが、僕はそういう順番でした。
    それだけではなく、味には「旨味」なんて複雑な感覚もありますのでね。ためしに化学調味料を舌にのせたりしました。昆布茶の粉を舐めてみたり。これも、日に日に回復してくるのでうれしかったですね。

    もう大丈夫だろう。そんな感じで、週末を迎えました。いよいよ、節分です。すなわち恵方巻。なんとか…間に合ってくれたようです。
    僕はその日、加古川市に用事がありましてそちら方面へ向かったのですが、その際こっそりと高砂市に寄りました。完全に私用ですが許してね。目当ては、焼き穴子です。
    瀬戸内産の穴子は播州名物でありまして、神戸や明石でも上質のものが入手できるとは思うのですが、高砂の穴子って何だか「別格」であるように思うのですね。事実、ファンも多いと聞きます。関東では煮穴子が普通でしょうが、焼き穴子のうまさというものはこれまた違うのですよ。香ばしさが絶品。
    店は夕方まではやっていませんので早めに訪れ、小ぶりのやつが二尾で一串になってるのを買い求めます。少し値ははりますが、これは本当にうまい。贈答用にもなるのですが、今日は自家消費なので簡単に包んでもらって、その後野暮用をいくつかこなして、夜にうちへ戻りました。
    家では、準備が整っています。酢を控えめに調味したごはん。海苔。そして具として干瓢、錦糸玉子、きゅうり、椎茸、茹でた海老。

    「おーい、穴子いれて六品やで。七品ないと七福神にならんがな」
    「あっ本当だどうしよう」
    「まあええか。わさび入れたれ。それで七つや(笑)」

    例年の如く、自家製です。巻き簾に海苔を置き飯を広げて、具を並べます。今回は焼き穴子が主役なので、他の具は薄味に。具の置き方ですがひとつだけ工夫を。
    穴子は海苔の幅を多少はみ出るほどの長さなのですが、その穴子を縦半分に切り、互い違いに置くようにします。一尾なので、尻尾から食べ始めるかアタマからにするか迷う可能性がありますので(笑)、こうして均一にしました。
    しっかりと巻いて(ちょっと、といいつつ結構穴子がはみ出してます♪)、海苔がパリっとしている間に食べましょう。今年の恵方は、北北西。ではいただきます。

    わしわしわし。

    う、うまひ〜。間に合ってよかった (T-T) ウルウル

    というのは心の声ですが(節分の太巻は黙って食べなければ福が逃げる)、ちょっと感動的なうまさでした。
    その砂を噛むような味気ない日々を過ごした果てのこの恵方巻、というのはあるかもしれませんよ。ですがしかし、そういうことを超えてこの穴子はうまい。焼かれてから既にずいぶんと時間は経ってしまっているはずですが、香ばしさは褪せることなく、力強い旨味を保っています。もう「高砂の焼き穴子最強説」を唱えてもいいのではないでしょうか。太巻に入れるのは少し贅沢な気もしましたが、自らへの快気祝いも兼ねて、ということで許していただこうかと。
    噛み締めるたびにあふれるよろこび。うまいのぉ(涙)。一時はダメかも、と思ったもんなあ。味わえるという幸せにじんわりとひたりつつ、無言で一本食べ終わりました。はひーうまかった。おかわりが欲しいよ(笑)。
    というわけで、味覚障害から復活の一幕でした。
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    | 2012/02/04 | 飲食 | 19:11 | comments(2) | trackbacks(0) |

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    | 2016/12/30 | - | 19:11 | - | - |

    コメント
    おめでとうございますっ!!!
    読んでると、もう完全復活されたようですね♪
    今回一連の記事を読むまで、味覚を失うのが今ほど恐ろしいと思ったことはないですw
    何にしても、恵方巻き間に合ってよかったですね☆
    今年もこの記事が読めましたwww
    >にがさん
    ありがとうございます。復活しました。m(_ _)m
    そんな二回にわたって書くネタでもなかったのかもしれませんが、食い意地がはっているせいでしょうか、この空白の期間がなんともいえず悲しい日々でありまして(笑)。なのでつい長々と。
    節分ネタも定点観測とはいえブログ始めて8年経つともう書くこともなくて(汗)。今年はこういう合わせ技ということにさせていただきました。毎年読んでくださって感謝しています。
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