スポンサーサイト

  • 2016.12.30 Friday
  • 一定期間更新がないため広告を表示しています



    | 2016/12/30 | - | | - | - |

    図書館の活用法

  • 2010.09.05 Sunday
  • つい先日古い友人と電話で話していました。内容は主として他愛も無い話であったわけですが、その中で「最近は図書館で本を借りて読んでいるのだが、読みたい本を予約しても半年待ちだ」と彼が言ったときには非常に驚いてしまいましてね。何だよ半年待ちって(汗)。
    もちろんその半年という気の長さにもびっくりしたわけですけれども、そんなに人気のある本があるのか、そりゃすごいなと思いまして、何を予約したのかと聞けば「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」ですと(笑)。今のベストセラーじゃないですか。
    そんなの図書館で借りて読む本じゃねぇと思わず言ったのですが、あちらにも家庭の事情というものがあります。本に費やす小遣いはないと言われればこちらも反論などできませんやな。1,680円ですしね。で、買えないけどどうしても読みたいので予約なのですと。
    彼が半年先まで「もしドラ」を読みたいという欲求を持ち続けられるのかというのが疑問ではあるのですけれどもね(笑)。本当に読みたければ今は「もしドラ」なんて書店平積みですからジュンク堂とか椅子のある大型書店へ行って一時間と少しあれば(以下略)。

    僕も、図書館はよく利用するほうだと思います。最低でも月イチ、多ければ毎週行ったりしますし、行けば確実に5、6冊は借ります。でも、予約して本を借りたことってないのです。そこにある本を借りますから。特に「この本が読みたいっ!」と思って図書館に行くことは無く、物色して借りてくるわけです。たいていはそういうものだと思っていたのですけれども。
    しかし、図書館で予約って当たり前のことみたいなんですねー。
    さっきブログめぐりしてましたら、いつも読んでるブロガーさんの新記事で「図書館で予約して1年以上経ってようやく手に入った」という話を読んでまたびっくりしてしまい、思わず僕もこうして記事にしてしまっているわけです。
    みんなすごいな。
    その、半年とか一年とかの期間の長さもさることながら、それだけ一冊の本に人が集中しているというすごさにまた驚くわけです。図書館って山ほど本がある場所じゃないですか。その中でそこまで人気が集中している本があるということ。なんでそう偏るのか。
    そして疑問に思ったことがひとつ。前述の1年以上の方曰く、その書籍は「1000人以上待ち」だったのでしょうがない、とおっしゃっていたことです。
    本って借りれば、たいていは1〜2週間は借りますよね。とすれば、1000人待ちなら一年なんかでは絶対に順番は回ってこないと思うのです。全ての人が借りて即日返しても1000日かかるでしょうが。とすれば、図書館は人気本は複数冊蔵書しているということになります。
    1年だと、単純計算で52週。ひとり2週間借りると1年で26回転しかしないわけですよ。つーことは、その間に1000人に回すとすれば、蔵書は40冊くらいにのぼるのではないですか。もちろんこんなに単純には割れませんけど、人気本については図書館蔵書は1、2冊ではなく10〜20冊は用意しておかないと「サービスが悪い」と言われてしまう可能性があります。
    図書館って、そういうところなのか? どうも何か釈然としないものも感じてしまったりもするのです。

    西宮図書館HPでちょっと調べてみようと思います。まずは「もしドラ」を(笑)。
    検索しますと、もしドラは西宮の市内の図書館で14冊蔵書があるようです! 14冊って何ですかそりゃ(笑)。
    西宮には、市立図書館が中央、北口、鳴尾、北部と4館あります。そして、分室(規模の小さい、公民館などに付随している施設)が7つ。ですので、全てに配布しても11冊で足ります。といって、分室って本当に規模が小さいところで(小学校の図書室より小さいかも)、児童用図書が多く他図書館蔵書を注文して借りたり返却したりする窓口には便利な場所ですが、あくまでも分室。実際にもしドラが配本されている分室は2ヶ所にすぎません。中央図書館の5冊を筆頭に、ほぼ上記4館に配本されています。そして、現在(2010/9/5)の予約件数456件です。こりゃ、西宮だと半年じゃ回ってこないわ。
    だからといって人気本の蔵書をもっと増やせ、とは僕は思わないのですね。増やせばそれだけ他の本の購入費が削られることになりますから。予算は限られているでしょうし。

    もしドラでこんな調子であれば、例えば村上春樹の「1Q84」はどうなっているのでしょうか。早速調べてみますと、これは3分冊なのですが一冊あたり30冊程度の蔵書があるようです。つまり、西宮市は約90冊の1Q84を抱えているのです。BOOK1の予約件数は874件(2010/9/5)。うーん。
    人口50万人に満たない西宮市でこれだと、神戸市や大阪市だとおそらく3ケタ…。
    図書館という施設は、もちろん市民のニーズにこたえる施設であるべきだとは思います。当然リクエストには応じるべきで、ニーズがそれだけあるのなら複数冊の蔵書はしょうがないでしょう。ですけれども、これって将来的にはどうなんだろうという疑問も。もしドラが3年後、10年後に14冊…。おそらく死蔵となり処分ということになるのでは。
    ちなみに「ダビンチコード」を検索してみましたら、在庫は上中下それぞれ4冊、しかももう開架されていないものも。もちろん予約は0件です。こんなものかと。おそらく数年前は結構な蔵書があったものと想像しますね。処分されたか。ハリポタも調べようかと思いましたがやめます。
    時事問題を扱った書籍はともかく、小説などには流行り廃りというものは本来ないはずです。しかし、読者側にはそれがあるのだな。旬、でしょうか。読んでないと話題に付いていけないのか。難しい話ですが、もしドラも半年後には文庫になるか、またはブックオフで溢れていることも想像されます。それはそれで、いい。出版業界もこんな時代ですから大変なことはわかっていますので、ヒット作はどんどん宣伝を打ってさらに売り上げを倍加させ儲けていただきたい。版元が潰れると読書好きは困るわけですから。
    ただ、図書館がそれに左右されなくてもいいのじゃないのか。やはりそう思ってしまいます。難しい問題ではあるのですけれどもね。

    図書館の存在意義は、無料の貸し本屋なのかそれとも資料・データの集積場所なのか。単純にはどっちだとも言い難いのですが…。でも、図書館の蔵書数にも収納場所を考えると限りがあるはず。新刊本を10冊単位で購入することで、溢れてしまう書籍もあるでしょう。また、前述しましたが予算のこともあります。
    僕にとっての図書館の利用価値は、なかなか自分では買えない高価な、または大部の学術本などがあってくれること。そして、書店や古本屋などではもう手に入らない絶版本などが在庫してくれていること。それが、僕にとってのニーズです。これも独りよがりであることは分かっています。そんな一部の人しか読まない難しい本や古い本よりももっと読みたがっている人が多いであろう書籍を多く揃える事が市民サービスである、という意見に反論は出来ません。しかし…。
    僕は、図書館ってやっぱり知の集積場所であって欲しいと思うのですよ。今はネットがありますので、たいていの調べ物はそこですますことが出来ます。けれども、ネットの情報ってアテにならなくて。だって、僕だって発信できるんですもん(笑)。やはり、書籍の方が「文責」というものがある以上確実です(いいかげんな本もありますけど)。いざというときに頼りになる情報を持つ場所として、図書館というものが機能して欲しいとやっぱり思うのです。

    最近、趣味で地元の歴史について調べることが多いんですけど、地域の図書館ってそういうときに威力を発揮しますね。頼りになる。ネットじゃとても追いつかない。そういうそれぞれの個性も大切にしていただきたいと思います。全国版のベストセラーの提供もニーズという観点からは大切ではありますが、それだけじゃなくてね。
    このエントリーをはてなブックマークに追加 Check


    | 2010/09/05 | 雑感 | 16:53 | comments(16) | trackbacks(0) |

    スポンサーサイト

  • 2016.12.30 Friday
  • このエントリーをはてなブックマークに追加 Check


    | 2016/12/30 | - | 16:53 | - | - |

    コメント
    二度目のおじゃまになります。

    図書館についてのお考え、ほぼ同意です。
    ベストセラーを何冊も置いたってあんまり意味ないんですよね。今日び、すぐにブックオフあたりにならぶわけで。
    ただ、図書館の誇りは利用率でしょうから、ベストセラーをある程度置くのはいたしかたないところなのかもしれません。ベストセラーに惹かれて図書館に行った人が、それをきっかけにいつしか書架の森へ分けいることもあるでしょうし。

    といいつつ、私個人はあんまり図書館を利用しないのです(笑
    本は手もとにほしくなるタチで、どうしても買ってしまいます。ベストセラーはブックオフに並ぶまで待ちます。結果そのほうが早いことも(笑
    まあ、あの手の新古書店はあんまり好きじゃないんですけどね…。

    あと、ものによりますが、ついつい本にメモを書いたりアンダーラインを引いたりするクセがありまして、借りた本ではそれができない…。これもあまり利用しない理由ではあります。

    おかげでウチはプチ図書館状態。貧乏なのに難儀ですが、ちょっと幸せです(笑
    • サキ
    • 2010/09/09 10:43 AM
    こんばんは。
    私も図書館は知識の集積場であるべきだと思います。
    ベストセラーも必要かもしれませんが、やはり図書館には図書館でしか読めない情報があるべきだと思うのです。

    特に私のようなヲタクの場合、過去の学術書や原典を読むためには図書館が欠かせません。
    これこそ自腹を切って買うには高すぎる本ばかりですし、出版年度の古いものはすぐに流通しなくなるので図書館に行かなければ読めません。(5000円以上のものが多数あります。)

    特に地元資料についてはその地元図書館が収集保存する義務があると私は思います。

    最近は理系の研究でも理系の基礎となる研究がなおざりにされ予算が削られて、すぐにお金になる研究だけがもてはやされている傾向があると聞いています。
    このようなことは一時的な儲けにはなると思いますが、長い目で見ると大きな損失を生み出していると思います。

    直ぐには成果が現れないけれども、実は大切なもの、それを大切にしないと文化も産業も衰退していく気がします。

    図書館も是非適度にベストセラーを取り入れながら、文化や産業の根本となるべき知識や資料の集積場であるべきだと私は思います。

    最近近所で貸し本屋が増えてきました。
    買うよりは安く上がるはずですから、いったん貸本屋で読んでから本当に気に入ったものだけを読む。という形式が増えるといいと思います。
    ただではないですが、買うよりは多くの本を読むことができるはずです。それに、多くの人が借りて本が傷む頃にはブームが去っている可能性がありますし・・・
    このような形式が発達すれば、本を読む種類も増えると思います。
    本当に読みたいのならば税金に頼らずに少しばかりの自腹を切って話題の本に接してみる。そして気に入ったものだけを購入する。
    そうすると本当に何度も読み返すだけの価値がある書籍だけが売れるようになって、出版文化にもいい影響があるような気がします。

    ただし、それを行なうのは図書館ではなくあくまでも民間の貸し本屋であるべきだと思います。
    • さがみ
    • 2010/09/09 9:56 PM
    こんばんは
    大変ご無沙汰しています。京都は今年の夏は最高に暑かったみたいですね。田辺市の39度という報道に絶句しましたよ。

    図書館の記事、本好きな私にも思い当たることがあるなあと思いました。。
    図書館と本屋には一日中いてもあきない人です。

    でも田舎の街の図書館には読みたいと思う本があまりないので、結局文庫本になるまで待って買ったり、アマゾンで安く仕入れたりしています。

    今思うと大学の図書館の蔵書はすごかったなーと思います。授業がない時には図書館で本を読んで過ごすことがありましたが、まだまだ読みたい本はたくさんあった気がします。

    年をとるとあまり難しい本は頭がついていかなくなります。小さい文字も読みにくくなりますしね。
    世は電子書籍の時代へ進もうとしています。

    新しい本を開いた時のインクの匂いとか、ページをめくる時の感触とか挿絵とか・・・五感で本を堪能する楽しみがなくなるのはさびしい気がします。




    • ninngennmodoki
    • 2010/09/10 9:39 PM
    >サキさん
    こんにちは〜♪
    これについては「図書館の誇りは利用率」というお言葉にふむふむと。
    結局、図書館の存在意義は市民サービスが第一義であることは確かなのですね。だったら、もうしょうがないのかなと(しょうがないという文言をつかってはいけませんな^^;)。
    これは、図書館ではなく利用者側の問題なんですね。利用者の要求が偏りすぎること、そして波があること。洛陽の紙価を高らしめる書籍は、今は長続きしない。人々は飽きっぽい。書籍って、そんなフローな存在なのか。ブログじゃないんだから(汗)。みんな右に倣えしなくてもいいのに。売れなくてもいい本はいっぱいあるぞ。それを探すのもまた読書人の楽しみではないかと思うのですけれどもね。僕などは昨今ベストセラーというだけで読むのを避けるアマノジャクなので…これ以上書くと批判になるな(汗)。

    僕も書籍は手元におきたくなる性格を有していまして、しかもタチが悪いことに過去、コレクター的になったりしてました。初版本を探したりね。そういうのは無意味だと気付き、そして家に置き場所がなくなってきたこともあって図書館派に。読んでそれでも手元に置きたければ購入。不見転では文庫・新書しか買わないようにしています。限界ありますもんね(汗)。
    >さがみさん
    おっしゃることには、基本的には僕はもちろん賛成です。
    一昔前でしたら、僕はもう何の気遣いもなく「図書館は貸本屋じゃないぞ」という記事を書いていたと思うのです。手に入る本は買いなさい、と。
    もちろん今でも、図書館は知の集積場所であるべし、そしてその集積したものを管理し保存していく機関であって欲しいと僕個人は考えています。また、廉価均一古本屋や漫画喫茶とともに、図書館までが版元と著作者の脅威になってどうすんの、という思いもあります。
    しかし、ご時世がそのことを声高に叫ぶことを躊躇させるのです。本当に書籍を購うことが出来ない人たちの「機会均等の自由」を奪うことにはならないか、と。ブックオフで100円でも手が出ない人たちが現実にいる、というこの時代。なので、思いは複雑なんですよ。

    むしろ僕が強烈に違和感を持つのは、あまりにも市民の要求が偏りすぎていることなんです。何でそこまで市民はベストセラーを読みたがる?
    あまりにもマスコミ他に流されすぎているのではないかという懸念です。書籍は、バカの壁とハリポタと五体不満足ともしドラだけじゃないのに。作家は村上春樹と東野圭吾と伊坂孝太郎と浅田次郎と京極夏彦しかいないと思っている人が多すぎ。
    もちろん上記の書籍や作家は素晴らしいのでしょうけれども、そこまでどうして集中するのか。本当にわかりません。昔、出版点数の絶対数が少なかった時代であれば、井原西鶴や十返舎一九に集中したり鴎外や漱石ばかり読まれるのもわかるんですが。しかし今はみんなが「学問ノススメ」や「三太郎の日記」に集中する時代じゃないと思うのですよ。
    「流行に踊らされるな」とはさすがに書けません。オマエは森博嗣や有川浩や重松清の良さがわからんアホだと言われるだけ。でもこのままでは図書館が死ぬ。
    望ましいのは、知の集積場所としての図書館=市民サービス、であることです。しかしそれは、現状では難しい課題であるようです。
    数年後に、図書館は何冊「1Q84」を蔵書しているか、予約件数はどうなったか。それは、調べてみたいとは思います。もちろんそれだけの人々が借り出せば書籍はボロボロになり廃棄もありうるでしょう。でもそれはつまり「消費された」ということですね。図書館の蔵書は消費されるものなのか。図書館は集積し保存し管理するもの、と思っている僕とは正反対の現象が現実であるのか、それは知りたいとは思います。知っても、憂うだけなのでしょうけれどもね(汗)。
    >ninngennmodokiさん
    こちらこそご無礼を続けております。
    日本中が沸騰したような夏でしたね。まだ進行形ではあるのですが、一山超えたかな。気温が体温を上回るともうやってられませんよね(笑)。

    大学の図書館というのはもう…ああいうのが知の集積場所だったなと。今思えば、もっと活用しておけばよかったなぁと思いますね。宝の山にいたのに昼寝してました。
    それに比べ、予算のない小さな図書館は大変だと思いますね。どうやって存在意義を高めていけばいいのか。県図書館との連携や様々な方法でなんとかしなくてはいけないわけですが、難しいでしょうねぇ。市民サービスも充実させたいでしょうし、地域の頭脳としての矜持もあるでしょうし。

    電子書籍なんてものが本当に一般的になる世の中が来るとは思ってもみませんでした。僕は紙が好きなんですけどね。
    書籍がソフトになってしまえば、図書館なんてものはどうなってしまうのでしょうか。なんだかもう想像がつきませんよ(汗)。
    凛太郎さん

    私は、本はコレクションでもあるため、
    やっぱり買って読みたいタイプ。
    そもそも、読書量自体、昔に比べたらずいぶん少なくなってるんで(仕事で読まないといけない文献に追われてしまいます)、購入量も大したことないですが。
    図書館へは、なんと、本ではなく、CDを借りに行っちゃう。
    こういうのこそ、邪道というのですね。
    うちの最寄りの市営図書館には、今、入手しようと思ったら、オークションにでも頼るしかないんじゃないか、と思うようなものがたくさん並んでて、1回に借りられるのが5枚までなので、選ぶのに苦労する感じ。
    もちろん、貸出中の場合もありますし。

    ま、人それぞれですね。
    >よぴちさん
    昨今は図書館にCDがおかれるようになりましたね。
    なんだかあれって、不思議な感じ(笑)。
    もちろん音楽というものも文化ではありますし、集積すべきものかもしれませんが、あれって図書なのかな、という素朴な疑問が。目の不自由な方もいらっしゃいますし視聴覚資料の一種であると広義に考えればアリだと思うのですけれどもね。
    僕としたら、その予算があるならもっと書籍を充実させろと思ってしまうのですが(笑)。
    これは、僕のとこの最寄図書館のCDがアンソロジーと児童向けが多いので、あんまり関係ないからそういう意見を有してしまうのかもしれませんけど。まさに人それぞれ(笑)。

    複数回の書き込み、すみません^^;
    ちょっと考え込んでしまったもので…。

    出版社に勤めていた知人が、「売れない本は罪悪や!」とぼやいていたことがあります。
    その人自身はベストセラーに流されず、貴重でマニアックな本をたくさん持っているタイプなのですが、それでも、商売として考えた場合、売れない本は罪悪だと。
    売れれば会社が潤い、社員やその家族もいい思いができます。でも、こだわりを通して売れない本をつくってしまったら、みなが路頭に迷うわけです。
    しかもこの出版不況。中小の出版社は売れない本を数冊つくっただけで経営がヤバくなる。
    その人自身は「売れる本」よりも「いい本」をつくりたかったそうですが、しかし商売として考えた場合、やはり「売れる本」を優先してしまうのだと。
    それでもその人が勤めていた出版社はつぶれてしまいましたけどね…。むべなるかな、です。

    けっきょく、書籍流通の構造的な問題なのでしょうね。
    出版社が書店の棚を確保するために、つぎつぎと新刊を送り出す。書店の側はそれを並べるのに精一杯で、しばらく置けば売れそうな本でもどんどん返本せざるをえない。結果、書店に並ぶのはそこそこの売り上げが見込めるベストセラーだけということに…。
    もう、本屋なんて、最近はどこに行っても同じような品揃えですからね。ベストセラーと文庫とビジネス書、あとは雑誌とマンガくらい。
    そりゃもう「作家は村上春樹と東野圭吾と伊坂孝太郎と浅田次郎と京極夏彦しかいないと思っている人」が増えるはずだと思います。

    それほど本を読まない人たちが、村上春樹と東野圭吾と……を図書館に期待してしまうのも、だから理解はできます。「買おうとは思わないけど、話題になってるから、話のタネに図書館で借りて読んでみるか」という層ですね。
    図書館にそういう本を置かなくなれば、利用者数はかなり減ってしまうんじゃないかなぁとさえ思ったりします。

    私もですね、「図書館にベストセラーなんて置くな!」と叫びたいわけですよ、やっぱり(笑
    ただ、やっぱり市民のニーズはそのあたりなわけで、一定応えようとするなら、ある程度は置かないとしかたがない。結果、「貸本屋」です。
    司書さんたちも忸怩たる思いがあるはずです。「知の集積場所」としての機能と、市民サービスとしての機能。ベストセラーを人寄せパンダにして、もっと「知の集積場所」を活用してもらいたいと努力していると思うのですが…。こればっかりは構造的な問題でしょうから…。このご時世、利用率が下がると簡単に予算が削られてしまうわけで…。

    本好きであれば、現在の書籍流通に多少なりとも不満を持っていると思います。私もそうです。図書館や本屋の匂いが好きなのに、実際に最も利用するのはamazonとブックオフです。それがいちばん早いんですもん。ほんと、忸怩たる思いがありますが…。

    長文すみません。
    私も長文癖があるようです^^;
    • サキ
    • 2010/09/14 10:30 AM
    >サキさん
    長文は何の問題もありませんが(僕が長文を歓迎しないわけがない)、このブログのコメント欄には一応2000字制限があるようです。僕も数度オーバーして投稿できず振り分けざるを得なかったことがあります。お気をつけ下さい(わはは)。

    売れない本は罪悪、という言葉を最初に言ったのは誰でしたっけねぇ…(どこかで読んだけど忘れた^^;)。とにもかくにも、版元は潰れてもらっては困るのです。ですから本文にも書いたように、売れセンの本はどんどん出してもらいたいですし、売れるとわかればプッシュしまくって儲けていただきたい。気取った知識人ぶる読書人というひとつのパイの取り合いでなく、いつも書籍を購入しない層に売ることが出来れば儲かるはず。そうして儲けて余剰が出来れば、良書もうまれるというもんです。出版人の気概も腹いっぱいになってからでないと発揮できませんものね。
    書店の存在というものも、難しいところです。これは書いていいかどうかはわからないのですが、町の小さな本屋というのは、僕の時代からもう既に雑誌と漫画が主でした。少数派の気取った読書人を相手にしていては成り立たないわけで、売れる本しか置けなかった。そういう商売はコンビニの台頭とともに苦しくなり、外商と、教科書教材の権利を持っていなければ淘汰されてしまいました。僕のようなウザい利用者側からすれば大型書店に集約されていくことは実は望ましいわけですが…文庫と漫画と雑誌しかない書店が数多くあるよりも、という点で。ただこれは声高に言ってはいけないとも思いますし、難しいところです。
    さて、図書館ですが、この町の書店と同じ事をしていれば、いつか何か大型の波がやってきたときに存続が危うくなる、ということです。その大型の波が何なのかということはわかんないのですけど(分かってれば起業しますが 笑…webかもしれません)。現在のところ、小型書店はコンビニにやられ、大型書店はamazonにやられ、版元はブックオフにやられているわけですが。

    書店流通の問題については、僕も確かに感じています。ただ、どうもそれだけじゃない気も(笑)。
    図書館の存在意義ですが、サキさんのおっしゃるとおり「利用率」というものがまずあるのだということはわかりました。そのうえで、やはり知の集積場所であって欲しいとする立場から考えますと、
    ○利用率で全てを推し量ろうとする行政が悪いのだ
    という点があるかと(笑)。市民サービス、というのは行政の最も重要な点でしょうが、それがつまり「図書館を貸本屋化すること」だと信じて疑わないようでは、司書の方々も疲れるでしょう。そもそも現時点においても図書館は、最も多く市民が利用する施設であると言っていいかと。箱モノ行政で多くのいらない施設を作る方がよっぽど罪悪です。ただデータが数字で出るからといって図書館の本の貸借だけに着目して市民サービスに行政が力を入れているフリをしているだけなのでは。その営業ノルマに振り回されているかのような図書館は気の毒であるとも言えるかと。
    図書館は誰でも利用できる稀有な施設です。目の不自由な方にも配慮をしています。市民グラウンドやホールは恩恵を受ける人が限られる。ましてや何とか記念館などと意味の分からないハコと比べて、それだけでも存在意義があるというのに。
    そして、
    ○行政が民業を圧迫してどうする
    ということもあります。タダで本が読めるなら、書籍の売り上げが下がる可能性もあるんです。版元・書店の儲けぐちを奪ってはいかん。この「利用率」行政を推し進めればこのご時世、図書館はベストセラーをタダで読める場所だとの認識が広まってしまい、ますますヘンな形に。そういうことを行政が啓蒙するのはよろしくないのでは。ベストセラーを無料で大量に貸す→書籍が売れない→良書を版元が出せなくなる→図書館に良書が集まらなくなる→図書館の品揃えが町の小型書店ぽくなる→図書館蔵書がベストセラーばかりになる→大量貸し出しと廃棄の繰り返し→完全貸本屋化。憂いてもいいのではないでしょうか(汗)。
    なんでこうなってしまうのか。
    これはwebで書くとまずいのですが、もうコメント欄のこんなところまで読む人もいないでしょう。つまり、
    ○利用者の意識が低いのか
    こう書くとどっかから石が飛んできそうな気がします(汗)。しかし、本当に金銭的余裕のない読書人はさておき「買おうとは思わないけど話題だから、話のタネに借りて読んでみるか」という層にまで対応しなくてもいいのではないだろうか、というのが僕の本音です。本文ではそうは書けませんでしたが。書籍を舐めてるとしか思えないわけです(暴論)。
    2000字になるのでこのへんで(笑)。
    図書館はオイラはもっぱら子どもと一緒に絵本を借りに行くぐらいで、一度に借りれるだけ(15〜16冊)借ります。そのときついでにオイラが読みたい本を1〜2冊借りるんですが。
    オイラも予約までして読みたい本ってないですね。
    図書館のパソコンで貸し出し中だとわかったら諦めます。
    半年待ちなんて待ってられないし、待ってたら忘れちゃいますww
    今回の記事でビックリしたのは、そんなにも同じ本の蔵書があるんだってこと。
    そして1〜2年後にはもう読まれなくなって処分されちゃうってこと。
    紙とかインクのムダですよね、資源のムダ。
    そういえば、図書館の一角に「ご自由にお持ち帰りください」のコーナーがあるんですが、あれが処分されてる本たちでしょうか・・・?
    1冊持ち帰ったことがありますが、これも読み終わったら処分に困るんですよね。
    「返さないでください」って書いてたし・・・
    やはり借りたほうがラクなのかも。。
    • にが
    • 2010/09/17 2:04 AM
    >にがさん
    僕もね、驚いたのはユーザーの「半年待てる」「一年待てる」という部分ですよ。僕なら待てないよ(汗)。
    これは、もうその本をとにかく読みたくてたまらないという感じじゃないかも。一日千秋の思いで順番が廻ってくるの待ってたらやってられないですよ。
    よく「文庫になるまで待つか」という人がいますが、あれと似た感覚なのかもしれません。でも、僕の場合は、文庫になるのを待とうかなと思った本はたいてい文庫になっても買ってない(笑)。それほど切実じゃなかったわけで。まさに「待ってたら忘れる」ですよ(笑)。
    資源の無駄なのかどうかは難しいですれどもね。少なくともその本は、二年図書館にあれば50人以上の人には読まれたということになります。一人が書籍を購入して、繰り返し50回その本を読む、というのは稀でしょうから、二年ほど書架に置かれることもなくなく借りまくられた書籍ってのは、役割は果たしたともいえるかもしれない。そして単純処分でなく「ご自由にお持ち帰りください」であれば充分かも、とは思います。
    ただ、予算の問題はあるとは思うのです。2000円の同じ本を50冊購入したその10万円というものが、消耗されただけだなぁと。1冊1万円の学術書を10冊買える。それは、まず残りますから図書館の財産、ひいては市民の財産になると思うのですけどね。
    TSUTAYAとか行くと、レンタルDVDの新作で、人気作品は20〜30枚ぐらい(多いやつだと50枚ぐらい)並んでますからね。
    それでも軒並みレンタル中なんてことになってるからビックリしますよ。
    新作は高いので、オイラは旧作になるのを待ちますけど、あれなら半年ぐらい待てますねw
    旧作になるときに一気に数を減らしますけど、あれもレンタル落ちで販売してますから、資源のムダじゃないのかぁ。
    TSUTAYAと図書館は有料か無料かっていう違いだけですねー。
    • にが
    • 2010/09/19 8:51 AM
    >にがさん
    えーっと、僕はここでは「資源の無駄」という観点では全く考えていないのですが(そんなこと言ってたら商売が成り立たん 笑)、一応書きますと、レンタル落ちで販売している段階で十分に「資源の有効活用」という面ではクリアしていると思います。
    そもそも資源の無駄とか考えていたらCD・DVD業界はもうダメですよ(笑)。全てダウンロード配信にしないと。

    僕が考えているのは、図書館の存在意義についてなんです。「資源の無駄」ではなく「予算の有効活用が本当に出来ているのか、それでいいのか」という点です。TSUTAYAは商売ですから、ニーズのあるときにどんどん回転させないと成り立たない。それでいいんです。ですけど図書館は、僕らの税金で成り立つわけですから。なので、僕が意見を言ってもいいと思うのです。
    図書館が「TSUTAYAと図書館は有料か無料かっていう違いだけ」では哀しい、と僕は思っていましてね。個人的には、図書館は知の集積場所であってほしいのです。本来は、そうであったはずなんです。
    でも、現実の多くの人たちの意識は、無料の貸本屋なんかなー。意見はもちろん様々あっていいと思います。ベストセラーを沢山購入して市民サービスしろ、という意見があるのも当然。ただ行政は、その部分をしっかり吟味して結論を出しているのか、そこは疑問ではあります。流されているだけじゃないのか。
    図書館の存在意義については、もっとその立脚点を明確に示して欲しいですね。予算の使い道に関わるのですから。
    非常に遅くなりました。
    丁寧なレス、ありがとうございます。かみしめるように拝読しました。

    おっしゃることに同感です。というか、私には勇気がなくて言えなかったことそのままです(笑

    利用率うんぬんを持ち出したのは、知り合いの司書さんからそんな話を聞いたからなのです。その人が勤めている図書館は全国でも有数の貸出率であるらしく、ひとりあたりの貸出率が我が図書館の誇りであると。
    もちろんベストセラーで稼いだ部分は多々あるでしょうが、それでも、市民に対する図書館の貢献を表した数値であり、やっぱり対外的アピールになるわけで。
    だから利用率が下がるような運営はやっぱりやりにくいのだろうと思います。そしてそれを非難する気分にはなれなくて。

    ただ、やっぱり私の本音は、「図書館にベストセラーなんか置くな!」ではあるのです。たとえ利用率が下がろうが、部数の出ない良書を優先して置くのが図書館というものだろうと思います。

    いやあ、なかなか書きにくいことまで書いていただいて、すみませんでした。とりあえず御礼まで。
    これからも楽しみに拝読します。
    • サキ
    • 2010/09/22 10:25 AM
    >サキさん
    そんなに大した内容のレスではありません(汗)。
    ただ、サキさんが書かずに黙っていてくださったことについては感謝します。こういう敵をつくるような話は、ブログ主が書かないといけません(笑)。自分が書いたものについては責任とれますのでね。
    まあね、コメントの数も深くなってきたので、ある程度の内容ならいいかなと。ここまで読む人も少ないでしょうし。
    でも、僕も「利用者の民度が…」と書きかけて削除しましたけど(笑)。

    いずれにせよ図書館には責任はないと思いますね。こういうものは全て、大衆の鏡だと思うのです。それは、書籍の売れ筋や内容だけの話じゃなくメディア全般、例えばTV番組の内容にしてもファッションにしても、需要があるからそれに添って生まれてくるもんだと思います。だから「こんなゴシップ本が」とか「俗悪番組だ」とか言う前に、まず我が身を振り返らないと駄目なんですねぇ(汗)。
    結局本記事で最も言いたかったひとことは「なんでそう偏るのか」なのですよ。この偏向さえなければ、図書館だって困らないんです。
    本当は「何でそう偏るのか」以上に「なんでそう流されるのか」と書きたかったのですがね。でもその一言は、ここまでコメントが深くなってスクロールしたおさないと読めなくなってからしか書けないかな(笑)。
    コメントする
    通りすがり・暇人・名無しなどの呼びかけにくいHNはご遠慮下さい








       
    この記事のトラックバックURL
    言及リンクのないトラックバックは受け付けません ごめんなさい
    トラックバック

    CALENDER

    S M T W T F S
      12345
    6789101112
    13141516171819
    20212223242526
    27282930   
    << September 2020 >>

    CATEGORY

    ANOTHER BLOG

    メインブログ
    酒・旅・フォーク・歴史・プロレスをテーマにときどき更新


    ちょっと歴史っぽい西宮
    別館・西宮歴史探訪サイト
    凛太郎の自転車操業
    西宮地域ブログ

    PROFILE&BBS&MAIL

    自己紹介です。
    BBS
    掲示板です。
    Mail
    メール送信フォームです。

    NEW ENTRIES

    SEARCH THIS SITE.

    ARCHIVES

    RECENT COMMENTS

    RECENT TRACKBACK

    BLOG PARTS


    RECOMMEND


    MOBILE

    qrcode

    SPONSORED LINKS


    OTHERS


  • フィードメーター - 凛太郎亭日乗


  • ついったー




  • 無料ブログ作成サービス JUGEM