別に悪いことしたわけじゃないと思うんですけどね…。
特定されると困るので、ぼやかして書きます。僕は先日、とあるHPのカウンターのキリ番を踏んでしまったのです。
カウンターのキリ番。意味わかりますよね? HP(ブログやBBS全て含みますよ)にアクセスカウンターを設置している方が時々いらっしゃいますが、その数字が100000とか77777とかになったときを「キリのいい番号」としてキリ番と呼びます。節目ですし、それはそれでいいのですが。
ところで、かつてこれをイベント化する場合がしばしばありましたよね。キリ番ゲットした方には賞品を差し上げまーす、とか。昔こういうの、よくあったものです。今は廃れたと言ってもいいでしょうが。
ところが、そういうのを今でもやってらっしゃる方がいらっしゃいましてね。んで、僕は偶然なのですが、そのキリ番を踏んでしまったのですよ(汗)。
そのHPにはこんなふうに書いてありました。もうすぐ○○○○番なので、踏んだ方は私書箱にご連絡ください〜賞品を郵送させていただきます、と。見てみればまさにその数字(汗)。
そのHPとはネット上の交流は全くありません。もちろんリアルの知り合いでもない。ただ、有益な情報がよくあるので、時々ロムってただけ。よりによってそんな僕が踏んでしまうとはね。
うわ…。この人だってそんなヤツに賞品あげたくないでしょう。またこっちも、賞品郵送ともなればその人に住所氏名を知らせなきゃいけません。そんなのやだ。だいたい、めんどくさい。
で…シカトしました(汗)。
こういうの、ちょっと後味が悪いですよね。別に踏んだ人に何か義務が発生するわけでもないと思うのでいいんですけど、なんか引っかかる。昔はこういうの「踏み逃げ」と言われたものですよ。
こんな話はもちろん黙っていてしかるべきで、シカトしたくせに嬉しそうに記事にしている場合じゃありません。忘れようと思ってました。ところが、このことがあってしばらくして、rollingmanさんのブログを覗いたら、こんな記事アップされてましてね。→
"キリ番"という文化から考える場合(回転富士山)
この記事に僕はひとつひとつ頷いてしまったわけです。で、追従記事を書く前説のために秘密にしておこうと思ってた、先日のキリ番踏み逃げの話を告白(笑)。
僕が踏み逃げしちゃったときの正直な感想は「面倒臭い」以外に、「まだキリ番とか言ってる人がいるの?」ということでした。こんなのもう遠い時代の遺物のように思ってましたから。だからrollingmanさんが「ノスタルジー」とおっしゃったことに吹いてしまったわけですけど(笑)。
「キリ番」。これは確かにHP時代の、ネット上にまだ人通りが少なかった時代の文化だと思います。インターネットと言われながらまだムラ社会の香りも残していた頃。ひとつのHPに集う人は、価値観を同じくした友達ばかりでした。仲間うち社会。だからこそ「とおりすがり」という捨てHNがあったのだと思います。実際は通りすがる人なんて少なかったのですから。ディレクトリ型検索エンジンの時代はね。
その仲間うち社会でのイベントとして「キリ番ゲット」というものがあった。郷愁です(笑)。これは、知り合いがゲットしてこそ意味がある。また、知り合いとまではいかなくともロムラーの人に口を開かせるきっかけともなった。BBSに「いつも読んでたんですけど読み逃げしててゴメンナサイ。キリ番記念カキコします」みたいなの、懐かしいですね。
こういう「読み逃げ」「踏み逃げ」「ロム専」「とおりすがり」「無断リンク禁止」「相互リンク」などの言葉、今でも生きているようですが、このムラ社会時代の言葉ですよね。なんだか形をかえて生き残ったような気が。しかしその中でも「キリ番ゲッター」という言葉は、さすがに消えたと思うのですよ。リロードしまくるヤツとかね。
時代がかわって、google様やyahoo様がロボットを使って拾いまくったことで、ネット上の交通量が飛躍的に上がりました。もうね、通りすがりに覗いていく人ばかりになったんですな。もちろんこっちも通りすがるわけで。「ホームページには"訪れる"ものだった時代に比べると、大変な変化だと思います」とrollingmanさんがおっしゃるとおりです。
rollingmanさん曰く今のキリ番は、交通量を調べるバイトの方に道を歩いていたら突然「おめでとうございます!あなたが1234567番目にここを通行した方です!」といわれたようなもの、と。あいかわらず例えがうまいですね。おっしゃるように、そんなん知らんっちゅうねん(笑)。
さて、そう言っておいてなんですが、いくつか疑問と言いますか、思い当たることが。
「キリ番」「読み逃げ」等々は、ネット内で仲間うち社会が成立していた時代の遺物だと思いますし、さっきからそう書いているわけです。まさに、だいたひかる女史の「どーでもいいですよー」にあたると(by rollingman氏。なおだいたひかるさんを「遺物」と言っているのではありません)。このgoogleさん達が全てのHPを無断リンクしていく時代に。
しかし、こういうムラ社会、実は形をかえて生き返ってるのではないですか。mixiというものがあって。
僕はmixiをやってませんのでその中の世界のことは全くわかりませんが、かの社会の中では「読み逃げ」なんて言葉がまだ生きている可能性がある。なんせ交通規制してますんでね。どうなんでしょ? mixiにはカウンターってあるんですか? あったとしたら、キリ番とかまだ生きてるんじゃないでしょうか。なんか足あとも残るシステムみたいですし。
ユーザーに聞いてみたいなと思いますよ(笑)。
ネットユーザーの心理って、面白いのですね。一人でも多くに自分の吐露を読んでもらいたいと思っているのかと思えば、そうでもない人もいる。実際は、ひとりでも多くの人と繋がりたい、その繋がった人にだけ、自分の吐露を読んで欲しい。不特定多数の人には読まれたくないんだ。だからmixiが隆盛したのでしょうし、また「検索よけ」なんて言葉もある。
ムラ社会への郷愁が生きているような気もします。
それはそれとして。
もうひとつ考えてしまうことは、そのものずばり、アクセスカウンターって何?ということですよ。カウンターって今、どういう役割をしてるんだろう。
かつては、カウンター設置の意味は、ありました。まずは文字通り「自分のサイトに延べどれだけの人が訪れてくれているのだろうか」を知るため。アクセス解析ツールが今ほどしっかりしてはいなかった時代は、これくらいしか方法がなかったんですよね。リンクはトップページを貼るのが常識、なんてのも、カウンターの影響ですね。
時は流れて、もちろん、今はFC2や忍者が充実した解析を提供してくれますし、ブログだと管理画面開ければ数字くらいはどんなサービスでも示してくれます。自分が数字を知りたい、という意味においては、カウンターを外に出しておく必要性はなくなりました。
さらに、外に向かって自分のアクセス数を誇示したい、という理由もあるでしょうね。人気サイトの場合は。これは今でも一応、生き残っている役割かもしれません。僕も知らないHPとかに訪れた場合、カウンターが正面に設置されていたら、目に入ります。んで、開設日時と照らして「ああよくアクセスされてるサイトだなー」とかは、思う。
でも、それは「思う」だけですね(笑)。それとHPの内容評価とは別問題ですから。
このアクセス数を誇示したい欲、というのは、ほぼ害しか生まなかったと思っています。カウンター回したいから、とにかく宣伝に走る。ブログサービス初期は「検索トラックバック」という鬱陶しいものがありました。とにかく共通ワードがあればガンガントラックバックを送って、無意味なアクセス誘導をする。これもカウンター回したいからです。昔のアメブロはひどかったですもんね。アクセスランキング上位賞金システムとかありましたから、もうアメブロからはわんさかTBが。面倒臭い。
カウンター回らない人は「読まれていない」ことが恥ずかしくて自演したりね。自分で一生懸命リロードしたりして。涙ぐましいですよ(笑)。
もうひとつは、その「キリ番遊び」のためでしょうか。でもそれはもう「ノスタルジー」の世界ですからねぇ…。
結局もうカウンターというものの存在意義は、なくなったと言っていいと思うのです。暴論かしら。
ずっと以前から設置している人は、もう今更削除するなんてもったいなくて出来ないでしょうけど(その数字は一種のタカラモノでしょうから)、もう新規に設置する意味は、ちょっと見出せない。
あるとすれば、それはWebデザインの一環として、でしょうかね。かわいいカウンターをサイドに設置してアクセントにする、とか。だいたいブログパーツって、自己満足でしょうし。
また、カウンターそのものよりも、それに付随した解析機能を欲するためについでにカウンターを置いてる、という人もいるでしょうね。これは、わかる。僕も実は、もうひとつのブログにカウンターを設置しています。その詳細は
こちら。
書きましたように、僕のカウンター設置は完全にアク解のためです。だから、設定においてカウンターの文字色を背景色と同色にしてます。つまり、埋没させて見えないようにしてる(笑)。このカウンターの数字は、そのブログパーツの管理画面においても表示されません。だから、僕もいまカウンターがどれだけの数字を示しているのか知らない(汗)。さすがに、ブログ開設後何年も経って設置したカウンターの数値なんて、興味ないんですもん。
※追記:カウンターの数字が管理画面においても表示されないというのはウソでした。探したらあった(汗)。そんなページ開けたことなかったんですよ。ブンブンカウンターさんごめんなさい。
ということで、キリ番踏んだ面倒臭さに対する愚痴をツラツラと。
でもね、郷愁がないわけじゃないんです。僕にしても。そんなキリ番ゲットとか言って楽しんでいた時代に対して。
僕もHP持っていた時代がありますしね。アク解もなく、このカウンターの数字だけが拠り所だった頃もありますから。日記サイトに「うわー訪問者増えた」と嬉々として書き込んだことも何度か。
こんな画像送ってもらって「ありがとー!」なんて言ってた時代のことを、いましみじみと懐かしいと思います。あの頃は、あの頃なりに楽しかったよねぇ。
mixiですが、まさに凛太郎さんが考察する通りですね。
いわゆる"マイミク"さんは、知らないコミュニティに参加していかない限りおよそ知り合いで構成されますので、完全にムラ社会になります。
総アクセス数とあしあとがセットで自分だけが見られますので、キリ番を祝えとばかりの感じです。
読み逃げが、バレやすい状況でもあります。
しかしその一方で、あしあとを消す機能というのが月10回までという限定付であったりします。そこまで計算高く足跡をコントロールしてどうするんだという・・・(笑)。
カウンターですが、私もアクセス解析を目的としている部分が大きいですね。
あとはもう、数字が増えたときの自己満に過ぎません(笑)。一応、自分のブログがどのくらい世の目に触れているのかというのが、更新の糧になってますかね。
管理人としては"交通量"を調べているだけですので、キリ番を報告されて逆に困ったりしてます(笑)バイトさんとしても、通行人の方に逆に請求されても困りますもんね。
まあそれどころか、アクセス解析でキリ番を誰が取ったのかが分かるんだろうなと思っていたんですが、結局誰が取ったのかよく分からなかったりしてます(汗)。
凛太郎さんのようになくしてもいいかなと思うのですが、ないと寂しいかななんて思ってしまうのは完全にホームページ世代である証拠なんでしょうね。