今流行の…と言うには遅すぎますが、先日カミさんがデパートの催事で出品されていた「花畑牧場の生キャラメル」を買ってきました。もう大行列だったそうで。整理券を配っていまして、すぐに売り切れだったそうです。もちろん手作りで大量生産が出来ないということがあるのでしょうけれども、こういうところもプレミア感が出て購買意欲をそそるんでしょうね。田中義剛さすが。カミさんはその場で「ホットキャラメルアイスクリーム」というのも食べてきたようですが、これは持ち帰り不可ということで僕は食べていません(涙)。
といって、生キャラメルを食べるのは初めてではありません。別のメーカーのものは一度食したことがありまして、その「口の中で一瞬にしてとろける」のにあっと驚いた経験があります。なるほど、これはアイディアだと思いましたね。これを発明(?)したのは北海道は興部の会社らしいのですが、全国的にヒットさせたのはやっぱり田中義剛氏なんかな。そこは素直に大したもんだなと。
さて、その花畑牧場生キャラメル、もちろん口の中で溶けます。以前食べたものよりも少しバター味が勝っているようにも思えましたが、さすがに美味い。ただ、高価ですね。森永キャラメルとはえらい違いで(汗)。
さて、この記事は喰いモンの記事ではありません。こっからいつもの僕の屁理屈が始まりますよ。
生キャラメルの「生」っていったい何? またそういうところに僕は引っかかっているのです。こんなもん加熱調理して製造されているに決まっていますので、それでも「生」を冠するというのはいったいどういうことだろうということです。
しかし、こんなの検索すれば簡単に答えは出てきます。つまり、「生クリーム」をたっぷり使って仕上げたキャラメルだということ。なので通常よりも柔らかく出来上がるというわけで、生とは生クリームの生。生クリームキャラメルの略称であるというのが世間一般の回答であるらしいです。同様に「生チョコ」なるものがありますが、あれも生クリームをふんだんに使用したチョコレートということらしいですね。
ですがね。
生チョコに関してもどうも僕は引っ掛かりがあるのです。略するのならそこじゃないだろうと。生というのは実に一般的な言葉で接頭語でもあります。食べ物で言いますと生ビールに象徴されるように、「過熱していない」という意味で多く使用されます。したがってこのネーミングは誤解を生む。どちらかと言えば「クリームチョコ」「クリームキャラメル」の方が良いのではないでしょうか。
これについていろいろ検索してみました。さすれば「生チョコ」のネーミングの由来が分かりました。こちらの
シルスマリアさんのサイトによりますと、生チョコの発祥は日本、それもまだ10年あまりであるということ。へー。そして、生パイという人気商品にあやかっての命名、ということで、生クリームの生ではあるものの、イメージ先行のネーミングであったようです。「生」ってそこからかい。これではしょうがないかもしれません。
ですが、この「生チョコ」はシルスマリアさんの商標登録とはならなかったようで(一般的名称すぎたのかな)、あちこちで生チョコは販売されています。そして、ちゃんと定義も出来ているようで。
Wikipediaによれば、クリーム10%以上・水分10%以上のものを指す、と。なるほど。生クリームを使ったチョコならガナッシュもありますからね。ちょっと納得しかかります。しかし、まだ釈然としないのです。
さて「生(ナマ)」という言葉からは、全く知識がなければ「生クリームの生だろ」とはスッと出てきません。いろいろ検索とかしてみましても結構「新鮮だから」「柔らかいから」生だと思っている人もいるようです。新鮮はともかく、生に「柔らかい」の意味なんてあるんでしょうか。ただ、引用するのも悪いのでしませんが、「生って柔らかいから?」とか書いている人も結構いるんです。んで、その意見ってなんとなく感覚的に分からなくもないんです。どうも「生」って僕にも柔らかい感じがしちゃうんですよ。なんで?
むしろ、新鮮だから生、という方が生キャラメルには何だかヘンな感じがしてしまいます。ただ
はてなですと明確に「フレッシュタイプのキャラメル」であると定義しちゃってます。うーむ。
「生」という言葉の意味から考えないといけないようです。
辞書的には「生(ナマ)」というのはむちゃくちゃ意味があるわけです(→
goo辞書)。その中で、やはり食べ物に関して言えば「加熱処理していないこと」というのが一義的にきそうです。生ビール、生ジュース、生ハム、生酒。煮たり焼いたりはしていません。生肉ってのがそのものズバリでしょうか。さらにgoo辞書には出てきませんが広辞苑などによると、「乾かしたりしないもの」も生ということです。なるほど。生湯葉なんてのがそれかな。干物に対して生、とは言いますからね。この「乾いていないもの」をナマと呼ぶということについて、少しヒントがあるような気もするのです。乾いたのはたいてい固い。対して乾いていないものは柔らかいですよね。ここから「柔らかい=生」の感覚が生まれてきたのではないでしょうか。
いろいろ考えてみます。「生揚げ」という食べ物があり厚揚げとも言われますが、これって油揚げに対して多少は柔らかい気がします。これかな、とも一瞬思ったのですが、この「生」は揚げが不十分で中がまだ生っぽいもの、ともとれますね。意味としてはどうもその「不十分」に行き着きそうです。中途半端と言っては語弊があるかもしれませんが、途上、と言えばいいんでしょうかね。生にはそういう意味もあります。生煮えとか生半可とか、生兵法とか。その途上感が生揚げの「生」なのでしょう。ちょっと早まったか。
さらに考えます。「生麩」というのもありますね。これは、つまりグルテンを蒸したもんですわな。加熱処理をしてるのに「生」です。対して、焼麩というものがありますがこれは固い。見つけたぞ。これは柔らかいから「生」という用法じゃないんでしょうか。
さらに、「生菓子」。
こちらを見ますと、生菓子とは一般に水分を30%以上含むものとされています。そこから水分が少なくなる毎に生干菓子、干菓子となっていきます。加熱関係ないぞ。んで、当然水分を多く含むものは柔らかい。これだよ、これ。「柔らかい=生」の実例がありましたよ。
冷静になって考えれば、広辞苑の定義「乾かしたりしないもの」の拡大解釈みたいなもんですけどね。でも干菓子や焼麩は別に乾かしてるわけじゃない。ですから、生とは水分含有量の多いもの、という定義を辞書に載せてもいいんじゃないかと僕などは思ったりもするんですがどうなんでしょ?
したがって、生チョコや生キャラメルは当然水分含有量が普通のチョコなどより多いわけで、その理由において生と名乗っていいような気がするんです。生は柔らかいっていうイメージはなんとなしにあったわけですから、別に間違っちゃいない。
じゃ生チョコの生は生クリームのこと、というのは都市伝説かと言われればそうじゃないわけで。生チョコ元祖のシルスマリアさんがそうおっしゃってるんですから。ただ、前述したように生クリーム由来であるなら「クリームチョコ(キャラメル)」と言った方がいいと僕なんかはまだ思うわけですがね。「生菓子の生と同じですよ」と田中義剛氏が言えばいいんじゃないかなと思うのですが。
以上、生キャラメルの生って何?の僕なりの回答です。以下蛇足を付けますがあくまで蛇足。
そもそも生クリームの生とはなんでしょうか?
僕は、単純に加熱処理してないクリームのことだと思っていたわけです。例えばカスタードクリームなんかは火を通していますしね。ですが、ことはそう単純じゃなかったようで。
また
Wikipediaを覗きますと、「生乳、牛乳を分離して取り出した乳脂肪のみを原料としたクリーム」のことを指すということです。つーことは、当然乳脂肪以外の材料(植物油脂とか)を使ったクリームもあるわけで、それらは「加工クリーム」となります。純正のクリームという意味なのですな、生クリームは。
僕は、それなら読み方が違う、と思うのです。「ナマ」には純正という意味はないと思いますが。ただ「キ」と読めばそれは純正という意味に日本語ではなると思います。生(キ)蕎麦、灘の生一本とかね。ウイスキーを生(キ)で呑む、と言えばストレートのことです。ナマで呑む、とは言いませんやな。混じりっけなしの生は「キ」。ですから、生(キ)クリームと呼ぶべきではないかと僕などは思ってしまうのです。
したがって、生クリームをたっぷり使ったキャラメルは生(キ)キャラメルではないのか。そんなふうに思ってしまうのであります。
まあね、そもそも生クリームの作り方は生乳を放置したときに分離して浮かんできた脂肪分をすくったのが生クリームの始まりらしいですから、そもそものいわれから言えば生(ナマ)クリームでもいいわけで、僕が言っているのは屁理屈であるのは百も承知なんですけどね(笑)。
時々読んではいるんですけど、なかなかコメント入れるまでは時間がなくて・・・
今回ちょっと時間もあるのでw
しかも最近生キャラメルをやっと最近食べました、タイムリーです。
友達の北海道土産でw
生と言えば、生八橋がありますよ☆
八橋と生八橋は全然違うのに、なんで名前が同じなんだろう〜って昔からすごく疑問でした。。。。